雑踏・交通誘導警備員の有効求人倍率47.97倍|仕事内容・給料・資格を解説

Uncategorized

交通誘導警備員は、本当に「道路に立って車を誘導するだけ」の仕事なのでしょうか。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、「雑踏・交通誘導警備員」に対応する2025年度(令和7年度)の全国有効求人倍率は47.97倍です。一方、施設警備員は3.59倍となっており、ハローワークの求人統計では大きな差がみられます。

交通誘導警備員の仕事は、車両や歩行者を誘導するだけではありません。現場では周囲の状況確認、迂回路の説明、立入禁止区域の監視、事故や急病人が発生した際の通報など、さまざまな対応が求められます。

この記事では厚生労働省のデータをもとに、雑踏・交通誘導警備員の有効求人倍率や給料、仕事内容、資格について解説します。あわせて求人を比較するときのポイントも整理します。

雑踏・交通誘導警備員の有効求人倍率は47.97倍

厚生労働省「job tag」に掲載されている2025年度(令和7年度)のハローワーク求人統計では、「雑踏・交通誘導警備員」に対応する職業分類の全国有効求人倍率は47.97倍です。

有効求人倍率は、ハローワークの有効求職者数に対する有効求人数の割合を示す指標です。47.97倍は、単純計算では有効求職者1人に対して約48件の有効求人がある水準を示します。ただし、求職者1人が48社から採用されるという意味ではありません。

同じjob tagで施設警備員を見ると、有効求人倍率は3.59倍です。求人賃金にも違いがあります。

job tag掲載職業有効求人倍率求人賃金(月額)
雑踏・交通誘導警備員47.97倍22.5万円
施設警備員3.59倍21.3万円

※2025年度(令和7年度)の全国ハローワーク求人統計。job tagに掲載される職業名と統計上の職業分類は、必ずしも完全には一致しません。

ただし、47.97倍を「交通誘導警備員だけの求人倍率」と捉えるのは正確ではありません。job tagでは「雑踏・交通誘導警備員」という職業ページに対し、統計上は「道路交通誘導員、雑踏警備員」の職業分類が対応しています。

そのため47.97倍は、道路交通誘導員や雑踏警備員に対応する求人が求職者に対して多い状態を示すデータとして見る必要があります。

施設警備との違いは仕事内容にもある

交通誘導警備と施設警備は、仕事内容や働く場所が異なります。警備業法では、施設警備や巡回警備などは1号警備業務、交通誘導警備と雑踏警備は2号警備業務に分類されています。

施設警備では、事務所や工場、商業施設などで出入管理、巡回、防犯・防災監視などを行います。一方、交通誘導警備では道路工事や建築現場、駐車場などで、車両や歩行者の安全な通行を支えるための誘導を行います。

求人を見る際は「警備員」という職種名だけで判断せず、どの種類の警備業務を担当するのかまで確認しておくことが必要です。

交通誘導警備員の仕事内容は「車を誘導するだけ」ではない

交通誘導警備員というと、道路工事の現場で誘導灯を使って車両を案内する姿を思い浮かべる人も多いかもしれません。

job tagによると、交通誘導警備員は道路工事や建築現場の周辺で車両や歩行者を誘導するほか、通行できる車線への案内や、商業施設の駐車場での車両誘導などを担当します。

job tagでは、職業に従事している人への調査をもとに、各業務の「実施率」が掲載されています。

主な業務実施率
人や車の流れをコントロールする98.2%
歩行者や運転者に移動経路・迂回路などを説明する98.2%
事故・事件・火災・急病人発生時などに警察・消防へ通報する98.2%
一人で対処できない場合に会社や他のスタッフへ応援を求める96.4%
使用する道具や機材を準備する94.6%
立入禁止区域への侵入を監視する92.9%

※実施率は、調査回答者のうち、その業務を実施していると回答した割合です。すべての警備員が同じ業務を担当することを意味するものではありません。

交通誘導警備は、車両を誘導するだけの仕事ではありません。周囲の状況を確認し、人や車の動きを見ながら、安全な通行を支える仕事です。

「説明する力」も交通誘導警備員の仕事

交通誘導警備では、運転者や歩行者に状況を説明する場面もあります。

工事によって道路を通行できない場合には迂回路を案内したり、商業施設では利用者に進行方向を伝えたりすることがあります。job tagでは、気分が悪くなった人の保護や、視覚に障害がある人、車椅子を利用する人への付き添い誘導もタスクとして示されています。相手に状況を分かりやすく伝える力や、周囲を見ながら対応する力も求められます。

警備員の誘導に警察官と同じ強制力はない

交通誘導警備を理解するうえでは、警備員の法的な位置付けも押さえておく必要があります。警備業法第15条では、警備業者や警備員には特別な権限が与えられているわけではないことを踏まえ、他人の権利や自由を侵害したり、正当な活動に干渉したりしてはならないと定めています。

そのため一般道路で交通誘導を行う警備員には、警察官による交通整理と同じ法的な権限はありません。周囲の交通状況を把握しながら、運転者や歩行者に分かりやすく協力を求める必要があります。

交通誘導警備員の給料・資格・働くための条件

job tagによると、「雑踏・交通誘導警備員」に対応する2025年(令和7年)の賃金統計では、全国の年収は335.3万円、平均年齢は56.6歳です。また1時間当たりの賃金は一般労働者が1,643円、短時間労働者が1,300円となっています。

一方、2025年度(令和7年度)のハローワーク求人統計における求人賃金は月額22.5万円です。年収335.3万円は実際に働いている人の賃金をもとにした統計で、求人賃金22.5万円はハローワークに掲載された求人条件の統計です。そのため単純比較はできません。実際の給与は、勤務先や地域、雇用形態、夜勤の有無、勤務日数、資格手当などによっても変わります。

交通誘導警備員になるために資格は必要?

交通誘導警備員として働き始める際に、交通誘導警備業務検定などの資格を全員が取得している必要はありません。

ただし「資格がなくても応募できること」と「教育を受けずに警備業務に就けること」は別です。警備業法第14条では18歳未満の人や、同法第3条第1号から第7号までのいずれかに該当する人は警備員になることができないと定めています。

また警備業法第21条第2項では、警備業者に対して、警備員に警備業務を適正に実施させるための教育を行うことが定められています。さらに警備業法施行規則第38条では、一定の対象者を除き、新たに警備業務に従事する一般的な警備員について、基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上の教育が必要とされています。「未経験者歓迎」の求人でも、採用後は必要な教育を受けてから警備業務に従事します。

キャリアアップにつながる資格もある

交通誘導警備には警備業務に関する知識や技能を確認する検定資格として、交通誘導警備業務1級・2級があります。

また警備業法第18条に基づき、一定の条件に該当する交通誘導警備業務では、検定合格者の配置が必要となる場合があります。検定に合格することで、交通誘導警備に関する知識や技能を持っていることを客観的に示せます。警備業界には警備員指導教育責任者などの資格制度もあり、経験を積んで現場のリーダーや教育・指導を担う側へ進む道もあります。

求人を比較する際には給与だけでなく、資格取得支援制度や資格手当、キャリアの選択肢なども確認すると、入社後の働き方をイメージしやすくなります。

有効求人倍率47.97倍でも、求人条件はしっかり比較する

有効求人倍率47.97倍という数字を見ると、「交通誘導警備員は仕事を見つけやすいのでは」と感じる人もいるかもしれません。ただし有効求人倍率だけで、自分に合った仕事を見つけやすいかどうかまで判断することはできません。有効求人倍率は求人と求職者の量的な関係を示す指標であり、勤務地、勤務時間、給与、雇用形態、担当する現場など、個別の求人条件までは表していないためです。

交通誘導警備は勤務する場所によって仕事内容が異なり、日勤中心の現場もあれば、夜間工事に合わせて夜勤が発生する仕事もあります。求人数だけでなく、実際にどのような働き方になるのかまで確認することが重要です。

求人票では「勤務地・時間・給与条件」まで確認する

同じ「交通誘導警備員」の募集でも、勤務条件は会社や現場によって異なります。求人を見る際には、次のような点を確認しておくとよいでしょう。

  • 主な勤務場所は道路工事、建築現場、駐車場のどこか
  • 自宅から現場への直行直帰ができるか
  • 日勤と夜勤の割合はどの程度か
  • 1日の勤務時間や休憩時間はどうなっているか
  • 現場が早く終了した場合の給与はどうなるか
  • 交通費や資格手当、夜勤手当などの支給条件
  • 雨天や工事中止時の勤務・給与の扱い
  • 希望する勤務日数や曜日について相談できるか

交通誘導警備では勤務する現場が変わる場合があります。「どのエリアの現場が多いのか」「毎回会社に立ち寄る必要があるのか」「現場への移動方法はどうなっているのか」といった点も確認しておくとよいでしょう。

未経験なら教育や現場でのフォロー体制も確認する

交通誘導警備は、未経験から始められる求人も多く見られます。

ただし、警備員として働くためには法令に基づく新任教育を受ける必要があります。未経験から応募する場合は、求人票や面接で次のような点を確認しておくと安心です。

  • 新任教育はどのように行われるか
  • 現場に出るまでの流れ
  • 最初は経験者と一緒に勤務できるか
  • 分からないことがあった場合の連絡先や相談体制
  • 現場ごとの注意点をどのように共有しているか

交通誘導警備では、道路状況や工事内容、車両・歩行者の動きなどを確認しながら対応する必要があります。未経験者の場合は給与条件だけでなく、教育やフォロー体制も職場選びのポイントになります。

資格取得で担当できる仕事の幅が広がることもある

交通誘導警備員として経験を積んだ後は、交通誘導警備業務検定の取得を目指すこともできます。交通誘導警備業務検定には1級と2級があり、警備業法第18条に基づいて検定合格者の配置が必要となる路線や現場もあります。

資格取得によって、資格者の配置が求められる現場を担当できるようになる場合があるほか、会社によっては資格手当の対象となることもあります。さらに経験を積むことで現場のリーダーや新人の指導を担当したり、警備員指導教育責任者など別の資格を目指したりする選択肢もあります。

現在すでに交通誘導警備員として働いている人も、自社の資格取得支援制度や資格手当、今後担当できる業務について確認してみるとよいでしょう。

まとめ|交通誘導警備員は求人の多さだけでなく働き方まで確認しよう

厚生労働省「job tag」に掲載されている2025年度(令和7年度)のハローワーク求人統計では、雑踏・交通誘導警備員に対応する有効求人倍率は47.97倍でした。

一方で有効求人倍率が高いことと仕事内容が簡単であることや、どの求人でも働きやすいことは別です。交通誘導警備では人や車の動きを確認しながら、安全な通行を支えるための状況判断やコミュニケーションが求められます。また勤務する現場によって、勤務地や勤務時間、担当する業務も変わります。

これから交通誘導警備員を目指す人は給与だけでなく、仕事内容、勤務場所、日勤・夜勤、教育体制、資格取得支援なども含めて求人を比較してみてください。すでに交通誘導警備員として働いている人にとっても資格取得や担当できる現場の幅を広げることは、今後の働き方を考える一つの選択肢になります。

警備NEXT(警備ネクスト)では、警備業界の最新動向や、警備員の仕事・資格・働き方に役立つ情報を継続的に発信しています。

参考・出典

TOP
CLOSE