熱中症対策 2026年|警備業界で注目される「遮熱」という新しい選択肢

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猛暑の長期化により、警備業界の熱中症対策は新たな転換期を迎えています。これまで現場では、ファン付き作業着や冷感スプレー、冷却シート、接触冷感インナーなど、身体を冷やす対策が中心でした。しかし近年は、直射日光による熱の侵入そのものを抑え、そもそも身体が熱を受けにくい状態をつくる「遮熱」という考え方が注目されています。

2025年6月に施行された労働安全衛生規則の改正では、熱中症のおそれがある作業に対し、報告体制の整備や重篤化防止措置の手順作成・周知が事業者に義務付けられました。警備会社にとっても、熱中症対策は福利厚生ではなく、安全管理の一環として取り組むべき課題となっています。

本記事では、警備業界を取り巻く熱中症対策の変化を整理するとともに、近年登場した遮熱インナーの事例を通じて、今後の装備選定の方向性を解説します。

なぜ今、警備業界で熱中症対策が見直されているのか

警備員は、熱中症リスクの高い環境で業務を行う職種の一つです。特に交通誘導警備では、真夏の道路上で長時間立哨するケースも多く、直射日光やアスファルトからの照り返しにさらされます。施設警備でも駐車場管理や外周巡回など屋外業務を伴う現場は少なくありません。また、花火大会や祭りなどの雑踏警備では、人混みによる体感温度の上昇も加わります。

こうした環境では、体力の消耗だけでなく集中力や判断力の低下も起こりやすくなります。警備業務は安全確保が最優先であるため、暑さによるパフォーマンス低下は事故やトラブルにつながる可能性があります。近年は猛暑日や熱帯夜が増加し、気象庁による熱中症警戒アラートの発表も珍しくなくなりました。

さらに2025年6月には労働安全衛生規則が改正され、熱中症のおそれがある作業に対して、事業者へ重篤化防止措置の実施が義務付けられました。企業には、異常発見時の報告体制の整備、重篤化防止措置の手順作成、関係者への周知などが求められています。

また、熱中症対策は労災防止だけでなく、人材確保の観点からも重要性が高まっています。警備業界では慢性的な人手不足が続いており、若年層の採用や定着率向上が課題となっています。真夏の過酷な勤務環境は離職理由の一つになり得るため、現場環境の改善は採用競争力にも影響します。

このように、猛暑の深刻化、法改正への対応、人材確保という3つの観点から、警備業界では熱中症対策の見直しが進んでいます。従来の「暑くなった身体を冷やす対策」だけでなく、そもそも熱を受けにくくする装備や環境整備にも注目が集まっています。

現場で続いてきた「冷やす」熱中症対策

これまで多くの警備現場では、「身体を冷やす」ことを目的とした熱中症対策が行われてきました。代表的なものとして、冷感スプレー、冷却シート、クールネックリング、経口補水液、接触冷感インナーなどがあります。

出典|プロキャス警備_【現役警備員に聞いた熱中症対策実態調査 第二弾】 

実際に、プロキャス警備が2025年に実施した警備員向け調査では、「会社から支給してほしい熱中症対策グッズ」として冷感スプレーが最も多く挙げられました。こうした製品は導入しやすく、手軽に利用できることから、多くの現場で活用されています。

出典|【2026年最新】「冷感」の限界を超えた熱中症ゼロの未来へ!太陽光の熱源を遮断する、PNX『CORE SHIELD®(コアシールド)』純日本製インナーが過酷な猛暑からすべてのアスリートを救う!

一方で、警備業務のように長時間屋外で活動する環境では、冷却効果の持続時間や直射日光による熱の影響が課題として挙げられることもあります。例えば接触冷感インナーは、肌の熱を生地へ移動させることで冷たさを感じやすくする仕組みですが、炎天下での長時間作業では十分な快適性を維持しにくいケースもあります。

また、冷感スプレーや冷却シートも有効な対策の一つですが、基本的には身体を一時的に冷やすことを目的とした製品です。そのため、猛暑環境下では、水分補給や休憩、ファン付き作業着など複数の対策を組み合わせて活用することが重要とされています。

こうした背景から近年は、「身体を冷やす」だけでなく、そもそも直射日光による熱の影響を抑える「遮熱」という考え方にも注目が集まり始めています。

注目される「遮熱」という新しいアプローチ

熱中症対策の新しい考え方として注目されているのが「遮熱」です。遮熱とは、太陽光による熱の影響を抑えることで、体温上昇そのものを抑えようとする考え方です。従来の熱中症対策は、水分補給や冷感グッズ、ファン付き作業着などを活用し、「熱くなった身体を冷やす」ことが中心でした。一方、遮熱対策は「そもそも熱を受けにくくする」ことを目的としています。

近年は、太陽光に含まれる近赤外線(NIR)に着目した技術開発も進んでいます。近赤外線は太陽光に含まれる波長の一部で、物体や人体の温度上昇に影響を与える要素の一つとされています。そのため、近赤外線を反射・遮断する素材を活用し、暑熱環境下での負担軽減を目指す製品も登場しています。こうした遮熱技術は、建築分野の遮熱塗料や遮熱ガラスなどにも活用されており、近年は作業着やインナーウェアといった身につける装備にも応用されるようになっています。

警備業務では、長時間にわたり直射日光を受ける現場も少なくありません。そのため近年は、水分補給や冷却対策に加え、熱の影響そのものを抑える遮熱装備にも関心が集まり始めています。

熱中症対策市場で広がる「遮熱インナー」

近年は、従来の冷感グッズやファン付き作業着に加え、「遮熱」をコンセプトとした製品も登場しています。その一例として、フェニックス株式会社は2026年に遮熱インナー「PNX CORE SHIELD®(コアシールド)」を発表しました。同製品は、住友金属鉱山が開発した特殊セラミック微粒子「CWO®」を活用したインナーウェアです。

出典|【2026年最新】「冷感」の限界を超えた熱中症ゼロの未来へ!太陽光の熱源を遮断する、PNX『CORE SHIELD®(コアシールド)』純日本製インナーが過酷な猛暑からすべてのアスリートを救う!

メーカー発表によると、近赤外線の遮断や紫外線対策を特徴としており、衣服内温度の上昇抑制や暑熱環境下での快適性向上を目的として開発されたとされています。また、吸汗速乾性にも配慮し、長時間着用時の蒸れ軽減も訴求しています。

同社による性能試験では、衣服内温度上昇を最大2℃抑制、近赤外線を76%以上カット、紫外線を99%以上カット(UPF50+)といった結果が公表されています。ただし、これらはメーカー発表値であり、実際の効果は着用環境や作業条件によって異なる可能性があります。

出典|【2026年最新】「冷感」の限界を超えた熱中症ゼロの未来へ!太陽光の熱源を遮断する、PNX『CORE SHIELD®(コアシールド)』純日本製インナーが過酷な猛暑からすべてのアスリートを救う!

遮熱インナーのみで熱中症リスクを防げるわけではありませんが、近年は暑熱環境下で働く人の負担軽減を目的とした装備開発が進んでいます。警備業界においても、水分補給や休憩、ファン付き作業着などの対策と組み合わせながら、新たな選択肢の一つとして注目される可能性があります。

警備現場での活用方法

警備業界では近年、ファン付き作業着の導入が進んでいます。警備員向けの熱中症対策に関する調査でも、支給品として定着しつつあることがうかがえます。

一方で、真夏の屋外現場では外気温そのものが高く、直射日光の影響も大きいため、装備を着用していても暑さを感じるケースがあります。そのため近年は、ファン付き作業着に加え、さまざまな暑熱対策用品を組み合わせる考え方も広がっています。

その一つとして注目されているのが、遮熱インナーとの併用です。メーカーによると、遮熱インナーで太陽光による熱の影響を抑えながら、ファン付き作業着で汗の蒸発を促進することで、衣服内環境の改善が期待できるとしています。

もちろん、どの装備にも限界があります。熱中症対策は、装備だけでなく、水分補給や塩分補給、適切な休憩、勤務時間の調整、WBGT(暑さ指数)の活用などを組み合わせて行うことが重要です。

特に交通誘導警備では、炎天下の道路工事現場や交差点など、日陰の確保が難しい場所で勤務するケースが少なくありません。また、雑踏警備では大規模イベントや花火大会などで長時間の立哨が続くことがあります。施設警備でも、屋外巡回や駐車場管理を担当する隊員は暑熱環境の影響を受けます。

現場ごとに業務内容は異なりますが、「直射日光による負荷を受けやすい」という点は共通しています。そのため装備を選定する際は、価格だけでなく、着用時間や業務内容、休憩環境、既存の熱中症対策との組み合わせなども含めて総合的に検討することが重要です。

熱中症対策義務化時代に見直したい装備選定

2025年6月の労働安全衛生規則改正を受け、多くの警備会社が熱中症対策の見直しを進めています。これまでの対策は、水分補給や休憩の確保といった運用面が中心でしたが、今後は現場環境や業務内容に応じた装備選定も重要になります。

特に警備業務では、交通誘導警備、施設警備、雑踏警備、イベント警備など、業務内容によって暑熱環境が大きく異なります。そのため、一律の対策ではなく、自社の現場特性に応じた対応が求められます。

近年は、ファン付き作業着や保冷剤ベストに加え、遮熱素材を活用した製品も登場しており、熱中症対策の選択肢は広がりつつあります。こうした装備は単独で熱中症を防げるものではありませんが、水分補給や休憩、WBGT(暑さ指数)の活用などと組み合わせることで、暑熱環境下で働く警備員の負担軽減につながる可能性があります。

熱中症対策は、労災防止だけでなく、人材確保や定着率向上にも関わる重要な経営課題です。今後は現場実態に合わせながら、運用と装備の両面から対策を検討していくことが求められるでしょう。

【自社で確認したいポイント】

□ WBGT(暑さ指数)の確認方法や運用ルールが決まっているか
□ 熱中症発生時の報告体制や緊急対応手順が整備されているか
□ 水分補給・塩分補給・休憩取得のルールが周知されているか
□ 新任教育・現任教育で熱中症対策を継続的に周知しているか
□ ファン付き作業着や冷却グッズなどの支給基準が明確になっているか
□ 現場環境や業務内容に応じた装備の見直しを行っているか

熱中症対策は、単一の装備だけで解決できるものではありません。水分補給や休憩といった運用面に加え、ファン付き作業着や保冷剤ベスト、遮熱素材を活用した製品など、さまざまな対策を組み合わせることが重要です。

2025年6月の労働安全衛生規則改正をきっかけに、熱中症対策は「個人の自己管理」ではなく、企業として取り組むべき安全管理のテーマとなりました。自社の現場環境を改めて見直し、運用と装備の両面から対策を進めていくことが求められています。

まとめ|熱中症対策は「冷やす」から「熱を遮る」へ

警備業界では、熱中症対策の考え方が少しずつ変化しています。これまで主流だった冷感スプレーや冷感インナー、ファン付き作業着などは、現在も有効な対策の一つです。

一方で近年は、身体を冷やすだけではなく、太陽光による熱の影響そのものを抑える「遮熱」という考え方も登場しています。遮熱素材を活用した製品は、その一例として今後の動向が注目されています。

熱中症対策は、単一の装備で解決できるものではありません。水分補給や休憩体制の整備、WBGT(暑さ指数)の活用、勤務管理の見直し、装備の適切な選定などを組み合わせながら、総合的に取り組むことが重要です。

2025年6月の労働安全衛生規則改正により、熱中症対策は企業として取り組むべき安全管理のテーマとなりました。猛暑が常態化するなか、警備会社には現場実態に合わせて対策を継続的に見直し、隊員が安全に働ける環境を整えていくことが求められています。

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参考・出典

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