「暑さが落ち着いてきたのに、疲れが抜けない」「勤務中に眠気を感じることが増えた」。秋を迎え、こうした体調の変化が気になっている警備員もいるのではないでしょうか。
2026年10月6日に公表された調査では、働く男女400人の77.0%が、夏の酷暑によって仕事中の集中力やパフォーマンスに影響を感じていると回答しました。また、睡眠不足や通勤時の疲れなど、勤務時間外の困りごとも報告されています。交通誘導や施設警備など、周囲の状況を確認しながら働く警備員にとって、体調の変化は見過ごせない問題です。
本記事では、調査結果と厚生労働省の資料をもとに、秋の警備勤務に向けて見直したい睡眠・疲労・集中力の管理方法を解説します。
夏の酷暑が仕事に与えた影響|警備員も知っておきたい調査結果
フラクタルワークアウト株式会社が2026年10月6日に公表した「健康動態調査」では、全国の20~59歳の会社勤務者400人を対象に、酷暑が仕事に与える影響を調べています。調査は2026年7月1日から30日にかけてインターネットで実施され、男女・年代別の8区分に各50人を割り付けています。
警備員に限定した調査ではなく、全国の労働者全体の状況を示すものでもありませんが、周囲の状況確認や判断が求められる警備業務でも、疲労や集中力の変化に注意を向けるきっかけとなる結果です。
77.0%が仕事中の集中力・パフォーマンスへの影響を回答
調査では、今夏の酷暑が仕事中の集中力やパフォーマンスにどの程度影響しているかを尋ねました。

調査では、77.0%が今夏の酷暑によって仕事中の集中力やパフォーマンスに影響を感じていると回答しました。このうち42.3%は、「大きく影響している」「影響している」と答えています。
影響を感じた人の割合は男性79.5%、女性74.5%で、年代別では20代が74.0%、30〜50代はいずれも78.0%でした。性別や年代を問わず、多くの人が仕事への影響を感じていたことがわかります。
ただし、これらは回答者が感じた影響を示したものであり、実際に集中力や業務能力がどの程度低下したかを測定した結果ではありません。
酷暑による疲労や睡眠不足、勤務時間外にも影響
同調査では、400人のうち209人が、酷暑による具体的な体調の変化や仕事上の困りごとを自由記述で回答しました。

具体的な困りごとでは、「疲労・だるさ・体力低下」と「集中力・意欲・判断力の低下」がそれぞれ41件、「睡眠・眠気」が31件挙げられました。屋外での暑さだけでなく、夜間の睡眠や通勤時の疲れなど、勤務時間外の負担も報告されている点が特徴です。
さらに、仕事への影響は「ない」と回答した92人のうち19人(20.7%)も、何らかの具体的な困りごとを記述していました。
こうした結果から、体調管理では「仕事に支障があるか」という質問だけでなく、睡眠や日常的な疲労の変化も確認する視点が必要です。なお、自由記述は調査実施企業が内容を分類したもので、1人の回答が複数の項目に計上されている場合があります。
警備員が知っておきたい睡眠不足と集中力の関係
警備業務では、周囲の状況を継続的に確認し、変化に応じて適切に判断することが求められます。こうした業務を安全に行うためには、日頃から十分な睡眠を確保することが重要です。
睡眠不足は注意力や判断力の低下につながる
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠不足は日中の眠気や疲労に加え、注意力・判断力の低下に関連する作業効率の低下を引き起こし、事故などの重大な結果につながる場合もあると説明しています。
例えば、交通誘導警備では、車両や歩行者の動きを確認しながら、安全な誘導を行う必要があります。施設警備でも、モニター監視や巡回などを通じて周囲の変化に気づき、状況に応じた対応が求められます。睡眠不足によって注意力や判断力が低下すると、こうした状況の変化を見落としたり、適切な判断が難しくなったりするおそれがあります。
成人の睡眠時間は6時間以上が目安
厚生労働省の同ガイドでは、成人について、個人差を踏まえながら6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。
成人の適正な睡眠時間はおおむね6〜8時間と考えられていますが、必要な時間には個人差があり、一律に6時間眠れば十分という意味ではありません。また、睡眠時間だけでなく「睡眠休養感」も重要です。睡眠休養感とは、眠ったことで十分に休養が取れたと感じられる感覚を指します。
例えば、一定の睡眠時間を確保していても、夜中に何度も目が覚めたり、起床後も疲れが残ったりする場合は、睡眠の状態を見直すきっかけになります。
厚生労働省は、睡眠の不調や睡眠休養感の低下がある場合、生活習慣や睡眠環境を見直すとともに、病気が隠れている可能性にも注意を促しています。
夜勤・交代勤務の警備員が知っておきたい睡眠への影響と仮眠の注意点
施設警備や一部の交通誘導警備では、夜勤や交替制勤務が行われています。夜間に働く場合は、日中に働く人とは睡眠を取る時間帯が異なるため、睡眠不足や勤務中の眠気に注意が必要です。
なお、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、日勤と夜勤など勤務時間帯が変わる働き方を「交替制勤務」とし、夜勤の時間帯が固定されている働き方とは区別しています。
ここでは、主に交替制勤務に関する研究結果を踏まえながら、夜勤を担当する警備員にも参考となる睡眠管理と仮眠の注意点を紹介します。
夜勤・交代勤務は睡眠不足や眠気につながることがある
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、交代勤務について、体内時計に負担がかかる勤務形態であると説明しています。
体内時計とは、睡眠と覚醒などの生活リズムを調整する体内の仕組みです。日勤と夜勤が入れ替わる働き方では、実際に睡眠を取る時間帯と体内時計のリズムにずれが生じ、睡眠不足や睡眠の不調につながる場合があります。
同ガイドでは、交代勤務と不眠、睡眠休養感の低下、業務中の眠気などとの関連が報告されています。また、仕事の効率低下や勤務中・通勤中の事故やけがとの関連も示されています。
警備員の場合、夜間の監視や巡回などで注意力を維持する必要があるほか、夜勤明けの帰宅時にも注意が必要です。特に、自動車を運転して帰宅する場合は、強い眠気がある状態での運転を避け、安全な帰宅方法を検討することが重要です。
夜勤中の仮眠は勤務体制に応じた調整が必要
厚生労働省の同ガイドでは、夜勤中の適切な仮眠が眠気や仕事の効率、疲労の改善に役立つことが報告されています。例えば、午前0~4時に開始する20~50分間の仮眠で、改善が認められた研究が紹介されています。
一方で、仮眠が長くなると、目覚めた直後に一時的にぼんやりする「睡眠慣性」が生じる場合があります。そのため、仮眠の時間だけでなく、目覚めた後に十分に覚醒した状態で業務へ戻れるかという点にも配慮が必要です。この後に続く、警備現場の配置人数や勤務体制に関する文章はそのまま使用できます。
ただし、仮眠時間を一律に20~50分に設定すべきという意味ではないため、現在のように具体的な時間を掲載しない編集判断も妥当です。

秋の警備勤務に向けて見直したい5つの体調管理ポイント
秋は夏に比べて気温が下がるものの、日によって寒暖差が大きくなることもあります。また、夏の間に睡眠不足や疲労を感じていた場合は、現在の体調を改めて確認することが大切です。
ここでは、警備員本人が勤務前・勤務中に確認したいことと、会社側が見直したい勤務管理のポイントを5つ紹介します。
1. 日頃の睡眠時間と睡眠休養感を確認する
まず、普段の睡眠時間を振り返ります。厚生労働省の推奨する6時間以上を一つの目安としながら、実際に十分な休養が取れているかを確認します。
特に確認したいのは、次のような状態です。
- 朝起きたときに疲れが残っていないか
- 夜中に何度も目が覚めていないか
- 勤務中に強い眠気を感じることがないか
- 休日に長く眠らないと疲れが取れない状態が続いていないか
睡眠の状態が改善しない場合は、生活習慣だけが原因とは限りません。強い眠気や不眠が続き、仕事や日常生活に支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討してください。
2. 寝室の温度や生活習慣を見直す
秋は夜間の気温が変化するため、夏と同じ寝具や室温設定では快適に眠れない場合があります。寝室の温度や寝具を調整し、落ち着いて眠れる環境を整えましょう。また、厚生労働省の睡眠ガイドでは、食生活、運動、睡眠環境などを見直し、睡眠休養感を高めることが推奨されています。
夜勤がある警備員は、一般的な昼間勤務の人とは生活時間帯が異なります。日中に眠る必要がある場合は、遮光カーテンなどを利用し、光や騒音を抑えた環境を整えることも対策の一つです。
3. 勤務前に疲労や眠気の有無を確認する
勤務開始前には、体温や体調だけでなく、疲労感や眠気にも目を向けます。特に、車両の往来が多い交通誘導現場や、長時間の監視が求められる施設警備では、勤務開始時点の状態を確認しておくことが役立ちます。
前日の睡眠不足や強い疲労がある場合は、勤務開始前に現場責任者へ状況を伝え、必要に応じて休憩や配置について相談してください。
4. 勤務中の体調変化を早めに伝える
勤務開始時に問題がなくても、時間の経過とともに眠気や疲労感が強くなる場合があります。集中しづらい、強い眠気がある、ふらつくなど、普段と異なる状態を感じたときには、早めに現場責任者へ報告してください。
報告を受けた責任者は、症状や現場の状況に応じて休憩・交代などを調整し、必要に応じて医療機関への受診につなげます。急な体調悪化があった場合は、現場の緊急対応手順に従ってください。
5. 管理者は勤務間隔や休憩体制も確認する
警備員本人の生活習慣だけでなく、会社側の勤務管理も欠かせません。
例えば、夜勤明けから次の勤務までの間隔が短い場合や、連続勤務が続いている場合は、睡眠や休養の時間を十分に確保できているか確認する必要があります。
会社や現場責任者は、勤務間隔や休憩時間だけでなく、警備員の疲労や眠気の状態にも目を向けることが重要です。体調に不安がある場合に早めに相談できる環境を整え、必要に応じて勤務調整などにつなげましょう。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、勤務間隔が短いことと疲労や睡眠休養感の低下との関連が報告されています。管理者は、勤務表上の休憩時間だけでなく、退勤から次の出勤までに十分な休養時間を確保できているか確認することが重要です。
秋の警備勤務では睡眠と疲労の状態を確認しよう
2026年7月に実施された健康動態調査では、働く男女400人の77.0%が、酷暑による仕事中の集中力やパフォーマンスへの影響を感じていました。ただし、この結果は夏の疲労が秋まで続くことを示したものではありません。
交通誘導や施設警備では、周囲の状況確認や適切な判断が欠かせません。秋の勤務に向けては、睡眠時間だけでなく、起床後の疲労感や勤務中の眠気にも目を向けることが重要です。
また、警備会社側も休憩や勤務間隔を確認し、十分な休養を確保できる勤務体制を整える必要があります。気になる体調の変化があれば早めに責任者へ相談し、必要に応じて医療機関への受診につなげましょう。
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※本記事は公開情報をもとに編集部が作成したものです。特定の企業の法的判断や、個人に対する医学的な診断を示すものではありません。