警備会社の“電話対応地獄”を解消 AI配置で業務3時間→30分に短縮する「警備サイン」とは

テクノロジー

警備会社の管理業務は、いまだに電話・紙・手作業に依存している状況にあります。こうした運用は、人手不足が続く中で、管理者の負担増や対応遅延の要因にもなっています。

特に、日替わりで変わる配置や、隊員ごとの資格条件の確認、現場ごとの必要人数の管理、直前の欠員対応などが重なり、管理業務は複雑化しやすい状況にあります。また、隊員への連絡も電話による個別対応が中心となるケースがあり、連絡業務の負担も発生しています。

こうした背景を受け、警備会社である株式会社MFPは、警備業務向けクラウド管理システム「警備サイン」を開発し、2026年4月より一般提供を開始しました。同社の自社運用実績では、配置業務を1日3時間以上から約30分に短縮したとされており注目を集めています。

警備業界に残る「電話・FAX・紙中心」の管理業務

同社は、警備業務において電話や紙による運用が多く残っている点を課題として挙げています。
具体的には以下のような業務です。

  • 翌日の配置を決めるため、隊員一人ひとりに電話で確認
  • 資格・希望休・現場条件を考慮し、手作業で配置表を作成
  • 書類を紙で回覧し、押印のために事務所へ戻る

こうした業務により、配置作業だけで1日3時間以上かかるケースもあるとされています。
さらに、直前の欠員対応、現場ごとの相性調整、資格要件の確認といった条件が重なることで、管理業務に時間を要していたと説明されています。

現場発で開発された「警備サイン」とは

出典|株式会社MFPプレスリリース

「警備サイン」は、警備会社である株式会社MFPが、自社の業務効率化のために開発したクラウド管理システムです。開発の背景には、既存の管理ツールでは警備業特有の業務に対応できなかったという課題があります。
警備業務には、以下のような特有の条件があります。

  • 日替わりで変わる配置
  • 資格・配置制限の管理
  • 現場ごとの適性
  • 直前の欠員対応

これらに対応するため、「現場で使えること」を前提に設計されたシステムとして開発されました。

管理業務を効率化する4つの主要機能

「警備サイン」では、警備会社の管理業務に対応する機能が提供されています。

1、AIによる自動配置機能

出典|株式会社MFPプレスリリース

AI自動配置とは、隊員の条件をもとに配置案を自動生成する仕組みです。

  • 保有資格
  • 休日希望
  • 必要人数
  • 連続勤務制限

これらの条件をもとに配置案が作成され、管理者は確認と調整を行う運用となります。

2、スマホによる連絡・確認

配置通知、シフト確認、出退勤報告は、スマホ上で行うことができます。
電話による個別連絡を削減し、連絡業務の効率化が図られます。

3、直感的に使える操作画面

カレンダー形式の配置画面やドラッグ&ドロップによる操作、スマホでの直感的な操作で、ITに不慣れなスタッフでも利用できるよう設計されています。

4、電子署名による承認機能

現場責任者は、スマホやタブレット上で承認を行うことができます。
承認履歴は自動で記録され、紙による書類回覧や押印の手間を削減します。

導入前後で何が変わるのか

株式会社MFPの発表では、警備サインの導入により以下の変化があったとされています。

  • 配置作業:1日3時間以上から約30分へ短縮
  • シフト連絡:電話による個別連絡 → スマホでの通知
  • 出退勤確認:電話確認 → GPSによるワンタップ報告
  • 書類承認:紙の押印・回覧 → 電子署名による承認

これにより、配置・連絡・勤怠・承認といった管理業務が一元化され、業務効率の向上が図られました。

今後の展開

「警備サイン」は、警備業務に特化した設計と、自社運用による継続的な改善体制を特徴としています。開発元である株式会社MFP自身が日常的に使用しており、運用の中で得た課題や改善要望が開発に反映される体制があるとされています。また、導入企業からのフィードバックも踏まえ、月次でアップデートを行うとしています。

業務改善に向けた整理と次の一手

警備業の配置業務は、資格要件、欠員対応、連絡、勤怠確認など、複数の業務が重なりやすく、属人的になりやすい領域です。
重要なのは、「ツール導入」ではなく、自社の管理業務にどれだけ時間がかかっているかを把握することです。配置業務・連絡業務の工数を可視化することで、改善の優先順位や投資判断につなげることができます。まずは現状を数値で整理し、見直してみてはいかがでしょうか。自社の業務構造を整理することが、改善の第一歩となります。

警備NEXT(警備ネクスト)では、警備業界の最新動向と実務に役立つ情報を継続的に発信しています。

参考文献

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