警備員の81.4%が「DXは必要」 直行直帰とスマホ完結が働きやすさを左右

ホンネ調査

警備業界で、現場業務のデジタル化を求める声が高まっています。

警備業界特化型の労務管理システム「プロキャス警備」を運営する株式会社PROCANは、全国の警備業就業経験者307人を対象に、「警備会社の業務のデジタル化に関する調査」を実施しました。

調査では、81.4%が「今後、警備業界において業務のデジタル化は必要」と回答しました。また、事務所へ立ち寄らずに勤務できる「完全直行直帰」を66.8%が重要視していることも分かっています。

一方、研修や各種届出、資格管理などでは、依然としてアナログな運用が残っています。

警備員が求める働き方と、警備会社の実際の業務運用との間には、どのような差が生じているのでしょうか。調査結果から、警備会社がDXを進める際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

警備員の81.4%が業務のデジタル化を必要と回答

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

全国の警備業就業経験者307人を対象に、「今後、警備業界において業務のデジタル化は必要か」とたずねたところ、「非常に必要」が41.0%、「やや必要」が40.4%となりました。両者を合わせると、81.4%がデジタル化を必要と考えています。
一方、「あまり必要ない」は2.3%、「全く必要ない」は1.6%で、デジタル化に否定的な回答は合計3.9%にとどまりました。

警備業界では、紙の勤務表や電話による上下番報告、事務所での書類提出などが長く行われてきました。
しかし、今回の結果を見る限り、警備員の多くは従来の方法を維持することよりも、デジタル化によって業務を効率化することに前向きであると考えられます。DXは、単に管理部門の作業を減らす施策ではなく、現場で働く警備員からも必要とされる取り組みになりつつあります。

約7割が「事務所へ立ち寄らない働き方」を重視

警備業では、現場へ直接向かい、勤務終了後もそのまま帰宅する直行直帰が一般的な働き方の一つです。
しかし、業務内容によっては、シフト提出や報告書の提出、勤務前後の連絡のために、警備員が事務所へ立ち寄らなければならないケースもあります。

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

各業務の連絡・記録方法をたずねたところ、「事務所へ行く」と回答した割合は次の通りでした。
上下番報告は11.4%、シフト提出は17.6%、シフト確認は13.0%、終了レポートの報告は18.2%です。業務によって差はあるものの、1~2割程度では事務所での手続きが残っています。

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

一方、「すべての事務手続きをスマホで完結し、事務所へ立ち寄らずに勤務できること」の重要度については、「非常に重要」が33.9%、「やや重要」が32.9%でした。合計66.8%が、完全直行直帰を重要と回答しています。

事務所への移動は、警備員にとって時間的・身体的な負担になります。
特に、現場と事務所の距離が離れている場合や、勤務終了時刻が遅い場合は、書類提出や報告のためだけに移動することが負担になりかねません。

シフト提出や上下番報告、報告書提出などをスマホで完結できるようにすることは、管理効率だけでなく、警備員の働きやすさを改善するうえでも重要といえます。

65.4%が専用アプリの導入に前向き

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

警備会社が専用アプリを導入することについては、「積極的に導入すべき」が41.0%、「導入は良いが操作が不安」が24.4%でした。合計65.4%が、専用アプリの導入に前向きな考えを示しています。
一方、「導入してほしくない。アナログが良い」と回答した人は3.6%でした。

この結果からは、多くの警備員がアプリの導入そのものに抵抗を感じているわけではないことが分かります。
ただし、約4人に1人が「操作が不安」と回答している点には注意が必要です。警備会社には幅広い年代の警備員が在籍しています。アプリを導入するだけでなく、初期設定の支援や操作説明、問い合わせ窓口の整備などを併せて行う必要があります。機能を増やしすぎず、上下番報告やシフト確認など、日常的に使う機能を分かりやすく設計することも重要です。

研修や資格管理ではアナログ運用が残る

警備員がデジタル化を求める一方、実際の業務にはアナログな手続きが残っています。

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

現在所属している警備会社で、各業務がデジタル化されているかをたずねたところ、「デジタル化していない」と回答した割合が高かった業務は次の通りでした。研修や講習の受講は48.9%、住所や連絡先の変更届は47.6%、健康診断や資格管理は44.6%、現場報告・作業相談は40.1%です。

警備会社では、法定教育の受講状況や資格、有効期限、健康診断など、管理すべき情報が多岐にわたります。これらを紙や表計算ソフト、担当者ごとのファイルで管理している場合、更新漏れや確認作業の増加につながる可能性があり注意が必要です。

デジタル化を経験した半数が負担軽減を実感

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

勤務先で業務がデジタル化されていると回答した人に、導入後の業務負担についてたずねたところ、「大きく減った」が15.1%、「やや減った」が35.1%でした。合計50.2%が、業務負担が減ったと回答しています。「変わらない」は32.4%でした。一方、「やや増えた」は9.2%、「大きく増えた」は3.8%で、負担が増えたとの回答は合計13.0%でした。

デジタル化によって、すべての人の負担が必ず減るわけではありません。既存の業務フローに合っていないシステムを導入した場合や、紙とデジタルを併用した場合には、かえって二重入力が発生することもあります。導入前には、現在の業務フローを整理し、どの作業を廃止・統合するのかを明確にする必要があります。システムを追加するのではなく、既存業務を減らすという視点が重要です。

「デジタル化の遅れ」も離職を考える一因に

出典|プロキャス警備_警備会社の業務のデジタル化に関する調査

過去に警備会社からの離職・転職を考えた理由については、「給与が不満」が38.4%で最多でした。次いで、「シフト対応が柔軟ではない」が22.5%、「福利厚生が充実していない」が21.2%、「安定して仕事がない」が18.6%、「時間外労働の上限を守っていない」が16.9%となっています。そのほか、「デジタル化が進まず不便」と回答した人も13.4%いました。

給与や福利厚生、シフトの柔軟性と比べると割合は高くありません。しかし、デジタル化の遅れを理由に離職や転職を考えた経験がある人が一定数いる点は、見過ごせない結果です。日々の勤務連絡や報告が煩雑であること、書類提出のために事務所へ行かなければならないこと、必要な情報が複数の連絡手段に分散していることなどは、小さな負担として積み重なります。

デジタル化は、採用人数を直接増やす施策ではありません。しかし、日常業務の不便を減らし、警備員が働き続けやすい環境を整える施策の一つにはなります。

警備業界の働き方改善を支えるシステム

出典|プロキャス警備公式サイト

株式会社PROCANでは、警備業界特化型の労務管理システム「プロキャス警備」を提供しています。シフト管理、勤怠管理、給与計算などをクラウド上で一元管理することで、警備会社のバックオフィス業務を効率化し、警備員が安心して働ける環境づくりを支援しています。同社は今後も、警備業界の働き方改善や現場の声の発信を通じて、業界の発展に貢献していくとしています。

まとめ|警備DXは管理効率だけでなく人材定着の視点で考える

今回の調査では、警備業就業経験者の81.4%が業務のデジタル化を必要と回答し、66.8%が完全直行直帰を重要視していました。また、専用アプリの導入には65.4%が前向きであり、デジタル化された職場で働く人の50.2%が業務負担の軽減を実感しています。一方で、研修や講習、住所変更届、健康診断、資格管理などでは、アナログな運用が一定数残っています。

警備会社がDXを進める際には、システムを導入すること自体を目的にするのではなく、警備員がどの場面で不便を感じているのかを把握することが重要です。上下番報告、シフト提出、報告書提出など、利用頻度が高く、負担の大きい業務から見直すことで、現場にも効果を実感してもらいやすくなります。

警備DXは、管制や事務部門の効率化だけでなく、直行直帰の実現や日常的な負担の軽減を通じて、人材定着につなげる視点が求められています。

警備NEXT(警備ネクスト)では、こうした労働市場データを踏まえ、警備業の採用・定着に役立つ情報を今後も発信してまいります。

調査概要

調査名:警備会社の業務のデジタル化に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象:20代以上の警備業就業経験者
サンプル数:307人
調査期間:2026年5月20日~5月25日
調査主体:プロキャス警備
出典:プロキャス警備調べ_【警備会社の業務のデジタル化に関する調査】警備員の81.4%が「DXは必要」と回答、“スマホ完結型”の働き方ニーズが拡大(2026年6月17日)

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