「ALSOKがインシデント対応支援サービスを開始|警備会社も備えたいサイバー攻撃への初動対応

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「サイバー攻撃を受けたら、まず誰に相談すればよいのか」
こうした問いに即答できる企業は、決して多くありません。近年はランサムウェアによる被害や情報漏えい事故が相次ぎ、サイバーセキュリティは大企業だけでなく中小企業にとっても重要な経営課題となっています。一方で、インシデント発生時の相談先や対応手順を整備できていない企業もあります。

こうした中、ALSOKは2026年5月末、企業向けの「ALSOKインシデント対応支援サービス」の提供を開始しました。同サービスは、サイバー攻撃や情報漏えいなどのインシデント発生時に24時間365日対応する相談窓口を提供するとともに、平時の体制整備も支援するものです。

警備会社でも、管制や勤怠管理などの業務でデジタルツールを活用する場面が増えています。DX(デジタルトランスフォーメーション)が進展する一方で、サイバーリスクへの備えも求められています。今回はALSOKの新サービスの概要と特徴を紹介するとともに、警備会社に求められるインシデント対応体制について考えます。

ALSOKがインシデント対応支援サービスを開始

ALSOKが提供を開始した「ALSOKインシデント対応支援サービス」は、サイバーインシデント発生時の相談窓口機能と、平時の体制整備支援を組み合わせたサービスです。

サイバー攻撃や情報漏えいなどのインシデント発生時の相談窓口提供や専門会社との連携支援、インシデント対応手順書の作成支援(オプション)などを提供します。

サービスの特徴

本サービスでは、サイバー攻撃や情報漏えいなどのインシデント発生時に24時間365日体制で相談を受け付けます。

ALSOKが相談窓口となり、状況の整理を行ったうえで、必要に応じて専門会社との連携を支援します。夜間や休日のインシデント発生時にも相談できる体制を整えている点が特徴です。

また、経済産業省が開始を予定している「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」を見据え、制度要件を踏まえたインシデント対応手順書の作成支援もオプションとして提供します。なお、本サービスはALSOKの対象となる情報セキュリティサービス契約企業に無償で付帯されます。

提供対象と活用シーン

ALSOKによると、本サービスはALSOKの警備や情報セキュリティサービスを利用する企業のほか、製造業や流通業をはじめ、複数の関係先と事業を行う企業や、インシデント対応体制の整備を検討している企業を主な対象としています。

活用例としては、従業員による不正行為が疑われる場合のPC調査や、従業員によるデータ持ち出しが発覚した際の解析調査、取引先がランサムウェア被害を受けた場合の対応などを想定しているとしています。

出典:ALSOK株式会社「ALSOK インシデント対応支援サービスの提供開始」

なぜ今、インシデント対応体制が求められているのか

近年のサイバー攻撃は、単にコンピューターウイルスを送り込むだけではありません。企業のシステムを停止させたり、機密情報を盗み出したり、さらには取引先へ被害を広げたりと、その影響は年々大きくなっています。

特にランサムウェア被害は深刻です。ランサムウェアとは、企業のデータを暗号化して使用できない状態にし、その復旧と引き換えに身代金を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)のことです。

被害を受けた企業では、業務システムが停止し通常業務が行えなくなるだけでなく、顧客情報や従業員情報が漏えいするリスクも発生します。さらに取引先への影響や企業イメージの低下、復旧費用の発生など、経営そのものに大きなダメージを与える可能性があります。

また、情報漏えいが発生した場合には、個人情報保護法への対応や関係先への報告が必要になるケースもあります。企業によっては取引先との契約上、事故発生時の報告義務が定められていることもあり、初動対応の遅れが被害拡大だけでなく信用低下につながることもあります。

こうした背景から、企業にはセキュリティ対策の強化が求められています。しかし現実には、「攻撃を防ぐこと」に意識が向き過ぎているケースも少なくありません。

もちろん、ウイルス対策ソフトやファイアウォール、EDRなどの導入は重要です。しかしどれだけ対策を講じても、リスクを完全に排除することは難しいため、被害発生時の対応体制を事前に整備しておくことも重要になります。

ALSOKは、インシデント発生時の相談・連携と平時の体制整備を一体で支援するとしています。

警備会社も他人事ではないサイバーリスク

サイバーセキュリティというとIT企業や金融機関の課題というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、警備会社にとっても無関係とは言えません。

近年の警備業界では、業務効率化や人手不足対策を目的としてDXが進んでいます。クラウド型の管制システムや勤怠管理システム、シフト管理アプリなどを導入する企業も増えており、日常業務のデジタル化が進んでいます。こうした仕組みは業務効率の向上につながる一方で、情報セキュリティへの対応も必要になります。

警備会社は警備員の個人情報や給与情報、資格情報に加え、顧客情報や施設情報なども取り扱っています。施設の配置情報や警備計画など、外部へ漏れてはならない情報を管理しているケースもあります。

もしこうした情報が漏えいした場合、顧客からの信頼低下や対応コストの発生につながる可能性があります。また、警備会社も取引先や委託先との関係の中で、サプライチェーンリスクの一部として見られる可能性があります。

警備業界では人材確保や待遇改善、法改正対応など多くの経営課題があります。しかし、デジタル化が進む現在、サイバーリスクへの備えについても考えておく必要があるでしょう。

自社で確認したいインシデント対応体制のポイント

サイバー攻撃への備えというと、高額なシステム導入を想像する人もいるかもしれません。しかし、まず重要なのは自社の対応体制を把握することです。編集部が整理した主な確認ポイントは次のとおりです。

□ サイバー攻撃発生時の連絡体制が決まっているか
□ 緊急時の責任者が明確になっているか
□ 外部専門家へ相談できる体制があるか
□ 顧客や取引先への報告フローが整理されているか
□ インシデント対応手順書が整備されているか
□ 定期的に見直しや訓練を実施しているか

これらは大規模なシステム投資をしなくても着手できる内容です。まずは現状を確認し、不足している部分を洗い出すことが第一歩となります。

サイバー攻撃はいつ発生するか分かりません。だからこそ、実際に被害が起きてから考えるのではなく、平時から準備を進めておくことが重要です。

まとめ|初動対応体制の整備が求められる時代へ

ALSOKが提供を開始した「ALSOKインシデント対応支援サービス」は、サイバー攻撃や情報漏えいが発生した際の相談窓口と、平時の体制整備支援を組み合わせたサービスです。

近年はサイバー攻撃の高度化によって、中小企業や警備会社も無関係ではいられなくなっています。重要なのは、攻撃を防ぐためのシステム対策だけでなく、発生後に迅速な判断と対応ができる体制を整備しておくことです。

警備会社においても、顧客情報や隊員情報、施設情報など多くの重要情報を扱っています。まずは自社の連絡体制や対応手順を見直し、万が一の事態に備えた体制づくりを進めてみてはいかがでしょうか。

警備NEXTでは、業界の法令動向や事案を継続的にウォッチし、現場に役立つ視点でお届けしています。
※本記事は公開情報をもとに編集部が作成したものです。特定の企業の法的判断を示すものではありません。

参考文献

ALSOK株式会社「ALSOK インシデント対応支援サービスの提供開始」(2026年6月1日発表)

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