「電話で受けた発注内容の共有が漏れていた」「FAXは届いていたが確認が遅れた」――。
警備会社の受発注業務では、こうしたヒューマンエラーが発生することがあります。特に交通誘導警備(工事現場等での車両・歩行者の誘導業務)では、急な増員依頼や日程変更への対応も多く、電話やFAX、メールによるやり取りが管理業務の負担になっているケースも少なくありません。
こうした中、警備業向けDXプラットフォーム「KOMAINU」を提供する株式会社ジャガーノートは、顧客企業からの警備発注をオンライン化する新機能「KOMA ORDER」をリリースしました。
本記事では、新機能の概要とともに、警備業界における受発注業務の課題やDXの可能性について解説します。
警備会社の受発注業務で起こりやすい課題とは
警備業界では、勤怠管理や隊員管理のデジタル化が進みつつあります。一方で、顧客との受発注業務については、依然として電話やFAX、メールが中心となっている企業も少なくありません。
特に交通誘導警備では、工事の進捗によって警備員の配置人数や日程が変更されることも多く、発注内容が頻繁に変わります。そのため、営業担当者が電話で依頼を受け、その内容を管制担当者へ共有し、さらにシフト作成へ反映するといった運用が一般的です。
しかし、このような運用では情報が複数の担当者を経由するため、伝達ミスや確認漏れが発生するリスクがあります。また、顧客側も「発注した案件が現在どうなっているのか」を確認するために電話をかける必要があり、双方にとって業務負担となることがあります。
人手不足が続く警備業界では、営業担当や管制担当が限られた人数で多くの案件を管理するケースも少なくありません。受発注業務の効率化は、今後の警備会社の管理体制を考える上で重要なテーマとなっています。
KOMAINUがオンライン発注機能「KOMA ORDER」をリリース
こうした課題の解決を目指し、株式会社ジャガーノートは警備業向けDXプラットフォーム「KOMAINU」に新機能「KOMA ORDER」を追加しました。
KOMA ORDERは、顧客企業からの警備発注をオンライン化し、発注から状況確認、顧客とのコミュニケーション、管制業務との連携までを一元管理できる機能です。
従来は電話やFAX、メールで行われることが多かった受発注業務をシステム上で管理することで、発注漏れや確認漏れリスクの軽減が期待できます。また、顧客企業と警備会社のやり取りをオンライン上で完結させることで、電話やFAXに依存した業務の削減も目指しています。

顧客企業側の主な特徴
顧客企業は専用画面から24時間いつでも警備を発注できます。現場住所や日程、必要人数などを入力することで依頼が完了し、電話やFAXによるやり取りを減らせる仕組みです。また、既存の現場情報を活用した追加発注にも対応しており、繰り返し発注する案件の入力負担軽減も期待できます。
発注後は「手配中」「受注済み」「対応不可」といったステータスをリアルタイムで確認できます。これにより、案件の対応状況を確認するための電話やメールの削減につながります。
さらに、システム内のチャット機能を利用して資料共有や条件調整を行うこともできます。やり取りの履歴が残るため、担当者変更時の引き継ぎにも活用しやすい仕組みです。
警備会社側の主な特徴
警備会社側では、各顧客からの発注内容や最新の対応状況を一画面で一元管理できます。案件ごとの進捗を一覧で把握できるため、社内での情報共有や対応漏れの防止にも役立ちます。
また、顧客企業の担当者をシステムへ招待・管理できる機能も備えており、継続的なやり取りを行いやすい点も特徴です。
さらに、受注した案件情報をそのまま管制業務やシフト作成につなげられるため、転記作業や共有漏れの防止にもつながります。
受発注業務のオンライン化で期待される変化とは
今回のリリースで注目したいのは、単なる発注フォームの提供ではなく、受発注業務と管制業務の連携を目指している点です。
従来は、顧客からの依頼を営業担当者が受け取り、その内容を管制担当者へ共有し、配置計画やシフト作成へ反映する流れが一般的でした。この過程では転記作業や確認作業が発生し、案件数が増えるほど管理負荷も大きくなります。
受発注情報がシステム上で管理されるようになれば、営業担当と管制担当の情報共有の効率化につながります。また、顧客企業も発注状況をリアルタイムで確認できるため、状況確認の問い合わせ対応が減ることも期待されます。
さらに、履歴管理による属人化防止も大きなポイントです。電話や個人メールに依存した運用では、「誰が何を依頼したのか」「いつ対応したのか」を後から確認するのに時間がかかることがあります。しかし、システム上で履歴を一元管理できれば、対応状況の把握や引き継ぎも行いやすくなります。
一方で、受発注業務のDXはシステムを導入するだけで実現できるものではありません。顧客企業が利用しやすい仕組みになっているか、既存の管制業務と連携できるか、運用ルールを整備できるかといった視点も重要になります。
DXはツール導入そのものが目的ではなく、業務プロセスを改善するための手段です。システムと運用の両面から検討することが求められます。
KOMAINUとは|警備業務を一元管理するクラウドシステム

KOMAINUは、警備業向けのクラウド型DXプラットフォームです。管制管理、上下番管理(出勤・退勤の管理)、契約管理、請求・給与発行、労務管理など、警備会社のバックオフィス業務を一元管理できることが特徴です。
警備業界では、営業担当、管制担当、現場隊員、顧客企業がそれぞれ異なる手段で情報をやり取りしているケースも少なくありません。KOMAINUは、こうした情報の分散や属人化を防ぎ、案件管理から配置、請求までの業務を効率化する環境を提供しています。
利用継続率は99%以上(2025年10月末時点)で、隊員数20名規模の警備会社から、業界大手まで幅広い企業で導入されています。
まとめ|受発注業務のDXが警備会社の新たなテーマに
KOMAINUがリリースした「KOMA ORDER」は、顧客企業からの警備発注をオンライン化し、発注漏れや確認漏れリスクの軽減が期待できる機能です。
警備業界では、勤怠管理や隊員管理のデジタル化が進む一方で、受発注業務には依然として電話やFAXによる運用が残っています。今回のリリースは、これまで勤怠管理や隊員管理が中心だった警備DXが、顧客との受発注業務や案件管理の領域にも広がる可能性を示す事例と言えます。
人手不足や業務効率化への対応が求められる中、自社の受発注フローに改善の余地がないか見直すことも有効です。特に、電話やFAXによるやり取りが残っている場合は、情報共有の方法や進捗管理の仕組みを整理し、属人化や確認漏れが発生していないか確認してみることが重要です。
警備NEXT(警備ネクスト)では、警備業界の最新動向と実務に役立つ情報を継続的に発信しています。
※本記事は公開情報をもとに編集部が作成したものです。特定の企業の法的判断を示すものではありません。
参考文献
- プレスリリース「電話・FAXでのやり取りをゼロへ。KOMAINUが顧客からの警備発注をオンライン化する新機能「KOMA ORDER」をリリース!」(2026年6月9日公表)
- KOMAINU 公式サイト