朝晩が冷え込み、日中はまだ汗ばむ――そんな気温差の大きい季節が「秋」です。
警備業務では、屋外・屋内を問わず長時間の立哨(りっしょう:立って警備にあたること)や巡回が多く、体温調整や装備の使い勝手が業務の快適性に直結します。
「夏の暑さが落ち着いたから」と油断していると、思わぬ不快感や疲労、さらには体調不良につながることも。
また、秋は行楽シーズン・イベントシーズンでもあり、雑踏警備(人が多い場所での誘導・安全確保業務)や交通誘導など、繁忙期に入る警備会社も少なくありません。
今回は、そんな秋の現場で“あると助かる”小物グッズをピックアップ。制服や装備の基本を崩さずに、快適性・効率性を高めるアイデアをご紹介します。
体温調整を助ける“重ね着サポート”グッズ

薄手インナーで「温度差」に対応
秋は朝晩と日中の気温差が10度近く開くこともあります。そのため、「重ね着による温度調整」が何よりのポイントです。
とくに、吸湿発熱タイプの薄手インナー(例:ヒートテックやミリタリー仕様の吸汗速乾インナー)は、制服の下に着ても動きを妨げず、汗冷え防止にも役立ちます。警備員の中には、「朝は寒くても日中は暑い」と訴える方も多く、脱ぎ着しやすい薄手の防寒着やネックウォーマーも人気です。
一方、厚手の防寒具を着ると動きにくく、制服規定に抵触することもあるため、“目立たない快適装備”を意識するのがポイントです。
ネックウォーマー&アームカバーの活用
ネックウォーマーは、軽量かつ防寒性が高い小物の代表。朝の立哨時に装着し、気温が上がったらすぐ外せる利便性が魅力です。素材はフリースや吸湿速乾系など多様ですが、制服との統一感を保つため、黒・ネイビーなど控えめな色を選ぶと好印象です。
また、交通誘導など腕を頻繁に動かす現場では、アームカバーも便利です。肌寒さを防ぐだけでなく、直射日光やホコリから腕を守る役割もあり、日焼け跡が残りにくくなるという意外な利点もあります。
現場効率を高める“便利ポーチ&収納系グッズ”
腰回りの“整理整頓”で業務スムーズに
警備業務では、無線機、メモ帳、ペンライト、IDカードなど、多くの小物を携行します。
とくに交通誘導警備では、誘導棒やホイッスル、トランシーバーを同時に使う場面も多く、「必要なときにすぐ取り出せる配置」が大切です。最近では、警備専用の多機能ポーチやマルチツールホルダーも販売されています。
- ファスナー式で中身が落ちにくい
- ナイロン製で軽く、雨天でも安心
- ベルトやカラビナで装着できる
といった機能性を重視したアイテムを選ぶと、長時間の勤務でも負担が少なくなります。
小型LEDライトで“暗所の安全確認”
秋の日没は意外と早く、17時を過ぎると薄暗くなる日も多いです。そのため、夕方以降の巡回や出入口警備では、小型のLEDライトが重宝します。最近はUSB充電式やクリップタイプも多く、胸ポケットや帽子につけられるタイプは両手が自由に使える点で非常に実用的です。
足元・手元を守る“小さな快適アイテム”

防寒インソールで足から冷え対策
立ち仕事が中心の警備員にとって、足の疲れや冷えは大敵です。秋口から気温が下がると、地面からの冷え込みもじわじわと感じやすくなります。そこでおすすめなのが、“防寒インソール(中敷き)”です。
厚みのあるウレタンやアルミシート入りタイプなら、体温の逃げを防ぎ、長時間の勤務でも快適。
また、靴のサイズや形状を選ばず使えるタイプも多く、コストも数百円程度と手軽に取り入れられます。
薄手の防風手袋で操作性を確保
秋冬用の手袋は、保温性を重視すると分厚くなりがちですが、交通誘導など指先の感覚が重要な業務では操作性が求められます。おすすめは、薄手でグリップ付きの防風タイプ。
スマートフォン操作対応のものなら、報告業務や勤怠打刻アプリの利用にも便利です。
休憩時間や待機中に“ほっと一息”できるアイテム
コンパクト保温ボトル&カイロ
長時間勤務の合間に温かい飲み物を口にするだけで、体のリズムが整います。近年は軽量・スリムな保温ボトルが多く、制服ポケットやバッグにも収納しやすくなっています。また、朝の冷え込みが強い日は貼るタイプのカイロを腰や背中に1枚貼るだけでも、体のこわばりを防げます。
ただし、貼りすぎると低温やけどのリスクもあるため、肌着の上から1枚程度が適量です。
制服と装備の“見た目”も快適性の一部
「清潔感」と「機能性」を両立する工夫
警備員の制服は、企業の顔でもあります。秋は汗の量こそ減りますが、ホコリや静電気がつきやすく、清潔感の維持が求められます。防汚・防臭機能付きのインナーや、消臭スプレーを常備しておくと安心です。
また、帽子やヘルメットの内側に取り付ける汗止めバンドもおすすめ。取り外して洗えるタイプなら、長期的な衛生面の維持にも役立ちます。
現場で“採用したい小物グッズ”の選び方ポイント

小物グッズは、ただ「便利そう」だから選ぶのではなく、以下の3点を基準にすると、失敗が少なくなります。
- 業務内容に適しているか
例:交通誘導=防風性・視認性重視、施設警備=静音性・清潔感重視 - 制服・装備規定に抵触しないか
社内ルールや外観基準を確認 - コストパフォーマンスと耐久性のバランス
安価でもすぐ破損するものは非効率
とくに警備会社として複数人分を購入する場合は、同一メーカーで統一することで、在庫管理や支給の手間も軽減できます。
まとめ:小さな工夫で“大きな快適”を
秋は気候が穏やかなようで、現場では寒暖差や日没の早さなど“意外な変化”が多い季節です。だからこそ、大掛かりな装備変更ではなく、「小物グッズ」で柔軟に対応することがポイントになります。
- 薄手インナーやネックウォーマーで温度差対策
- 多機能ポーチやLEDライトで作業効率アップ
- 防寒インソールや操作性の高い手袋で疲労軽減
- カイロや保温ボトルでリラックス時間を確保
こうした“ちょっとした快適グッズ”が、結果的にモチベーションや集中力を支え、安全で質の高い警備業務につながります。
秋の現場をより快適に――
ぜひ自分の装備を一度見直し、「プラスαの工夫」を取り入れてみてください。
警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。