「AIが進化すれば、警備員の仕事はなくなるのではないか」
そんな不安の声を、現場や求人情報のコメント欄で見かけることが増えてきました。顔認証カメラ、AI監視システム、ドローン巡回など、警備業界でもテクノロジーの導入は確実に進んでいます。
一方で、実際の現場では今も多くの警備員が必要とされ、求人も安定して出続けています。ではなぜ「AI時代」になっても、警備員の仕事はなくならないのでしょうか。
この記事では、2026年時点の警備業界を取り巻くAIの現状を整理しつつ、「AIに置き換わる仕事」と「人だからこそ求められる仕事」の違いを解説していきます。
これから警備員を目指す方や、将来性に不安を感じている方にも、AIと人とのそれぞれの役割を理解していただければ、人としてできることにやりがいを感じられると思います。
結論から言うと、警備員の仕事はAIではなくならない
最初に結論をお伝えすると、警備員の仕事がAIによって完全になくなる可能性は、現時点では極めて低いといえます。
確かに、警備業務の一部はAIやシステムに置き換わりつつあります。しかしそれは「警備員が不要になる」という意味ではありません。
実際には、AIの導入によって警備員の役割が整理され、「人が担うべき業務の重要性がより明確になってきている」というのが実情です。
AIは警備員の代わりではなく、判断や対応を支える補助的な存在として活用され始めています。
警備業界で進むAI・テクノロジー活用の現状
警備業界ではすでに、さまざまなAI技術やデジタルツールが導入されています。ここでは代表的な例を見ていきましょう。
AI監視カメラ・顔認証システム
商業施設やオフィスビルでは、AI搭載の監視カメラが不審行動を検知したり、特定人物を自動で識別したりするケースが増えています。従来は警備員がモニターを常時監視していた作業を、AIが補助する形です。ただし、AIができるのは「異常の可能性を知らせる」ところまで。実際に現場へ向かい、状況を確認し、対応を判断するのは警備員の役割です。
ドローンやセンサーによる巡回
広い敷地や夜間の巡回では、ドローンや各種センサーが活用され始めています。人が立ち入るのが危険な場所や、効率的な巡回が求められる現場では特に有効です。しかし、突発的なトラブルや想定外の事態が起きた際、柔軟な判断や臨機応変な対応ができるのは、やはり人間です。
勤怠・管制・報告業務のデジタル化
AIというよりDXの側面ですが、管制システムや勤怠管理、報告書作成の自動化も進んでいます。これにより警備員は、事務作業に追われる時間が減り、現場対応に集中できるようになっています。
AIに置き換わりやすい警備業務とは
警備の仕事すべてがAIに置き換わるわけではありませんが、一部の業務は確実に自動化が進むと考えられます。
- 単純な映像監視や記録
- 定型ルートでの巡回チェック
- 異常検知の一次アラート
- 数値やログをまとめる報告作業
これらは「判断基準が明確」「イレギュラーが少ない」業務であり、AIが得意とする分野です。ただし、これらが自動化されることで、警備員の仕事が減るというよりも、警備員が本来やるべき仕事に集中できるようになるという側面が大きいのが特徴です。

AIと人の役割分担|警備業務はどう変わる?
| 業務内容 | AI・システム | 警備員 |
|---|---|---|
| 映像の常時監視 | ◎ | △ |
| 異常の一次検知 | ◎ | △ |
| 現地確認・状況判断 | × | ◎ |
| 来訪者対応・声かけ | × | ◎ |
| トラブル時の責任対応 | × | ◎ |
AIの導入によって、警備員の仕事が減るというよりも、警備員が本来担うべき判断・対応業務に集中できる環境が整いつつあると捉えるのが現実的です。
それでも警備員が必要とされ続ける理由
ここからは、AIがどれだけ進化しても警備員が必要とされる理由を、具体的に見ていきます。
現場ごとの状況判断と責任ある対応
警備の現場は、天候、時間帯、人の流れ、施設の特性など、条件が常に変化します。マニュアル通りにいかない場面も多く、その都度「今、何を優先すべきか」を判断する必要があります。万が一の事故やトラブルが起きた際、最終的に責任をもって対応するのは人です。AIは判断材料を提示することはできても、責任を引き受けることはできません。
人がいること自体の安心感
施設警備やイベント警備、交通誘導では、「人がそこに立っている」こと自体が抑止力や安心感につながります。迷っている来訪者への声かけ、困っている人への対応、不安を感じている人への配慮など、人と人とのコミュニケーションはAIには代替できません。
想定外のトラブルへの柔軟な対応
実際の現場では、想定外の出来事が頻繁に起こります。体調不良者の発生、クレーム対応、急な動線変更など、その場で判断し行動する力が求められます。こうした「正解が一つではない状況」こそ、警備員の経験や人間力が活きる場面です。
AI時代に価値が高まる警備員のスキル
今後の警備員には、次のようなスキルがより重視されるようになります。
- 冷静な状況判断力
- 来訪者・関係者とのコミュニケーション力
- トラブル時の説明力・対応力
- 情報を整理し報告する力
- 新しいシステムを使いこなす柔軟性
「体力仕事」というイメージだけでなく、考える力・伝える力を活かせる仕事として、警備員の価値はむしろ高まっていくと考えられます。
若手・未経験でもチャンスがある理由
AIやDXの進展により、警備業務はマニュアル化・システム化が進んでいます。
そのため、経験年数よりも「正確に対応できるか」「丁寧に報告できるか」といった点が評価されやすくなっています。
未経験からスタートし、現場経験を積みながら、管制業務や教育担当、管理職へとキャリアアップする道も広がっています。
人手不足が続く業界構造を踏まえても、警備員の需要が急激になくなる可能性は低いといえるでしょう。
まとめ|AI時代でも警備員は“なくならない仕事”
AIやテクノロジーの進化によって、警備の仕事のやり方は確実に変わっていきます。
しかし、それは「警備員が不要になる」という意味ではありません。
- AIにできることはAIに任せる
- 人にしかできない判断・対応に集中する
この役割分担が進むことで、警備員の仕事はより本質的で価値の高いものへと進化しています。
将来に不安を感じている方こそ、警備業界の現実を正しく知ることが重要です。
2026年以降も、警備員は社会にとって欠かせない存在であり続けるでしょう。
※本記事は2026年時点で確認できる業界動向をもとに構成しています。AI技術や制度、運用方針は今後変更される可能性があります。
警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。