新人警備員必見!現場でよく使われる用語10選

となりの警備員

警備業界では、日常会話の中に独自の専門用語「上番(じょうばん)」「下番(かばん)」「立哨(りっしょう)」などが多く登場します。現場で働くうちに自然と覚える言葉も多いですが、未経験者や転職してきたばかりの方にとっては「意味が分からない…」と戸惑うことも少なくありません。
この記事では、警備現場でよく耳にする代表的な用語10選をピックアップし、それぞれの意味と使い方をわかりやすく紹介します。
言葉の理解は、安全な現場運営スムーズな連携につながる第一歩です。

現場でよく使われる基本の警備用語10選

No.用語読み方意味・使われ方の概要
上番じょうばん勤務開始を正式に報告すること。警備員として任務を始めた瞬間を示す。
下番かばん任務完了を報告して勤務を終えること。引き継ぎ・報告を含めて完了。
立哨りっしょう定点で周囲を監視する“静の警備”。集中力と観察力が問われる。
巡回じゅんかい施設や敷地を歩いて安全を確認する“動の警備”。異常の早期発見が目的。
管制かんせい現場の配置や指示を行う司令塔。現場との正確な連携が重要。
点呼てんこ勤務前後に健康・装備・内容を確認する安全チェック。
開放かいほう一時規制を解除し、通路や道路を元に戻すこと。安全確認が不可欠。
片交かたこう片側交互通行の略。交通誘導で最も注意が必要な業務の一つ。
資機材しきざい制服や無線、誘導灯など、警備で使用する装備品・器材の総称。
1号/2号業務いちごう/にごうぎょうむ警備業法上の業務区分。1号=施設、2号=交通誘導、3号=輸送、4号=身辺。

①上番(じょうばん)―勤務開始の報告

警備員が現場に入り、任務を開始した状態を指します。
上番は“出勤”ではなく、「警備業務のスタートを正式に報告する行為」です。
現場では、上番後に無線やアプリで「上番しました」と報告するのが基本。この一言で、管制が勤務開始を把握できます。

Tips

上番時には、服装・装備・健康状態の最終チェックを行いましょう。
「上番=スイッチを入れる瞬間」と考えると覚えやすいです。

②下番(かばん)―勤務終了の手続き

任務が完了し、現場を離れる前に行うのが「下番」です。
「もう終わり」と思っても、報告書の提出や引き継ぎが済むまでは下番できません。

Tips

「下番=任務終了」ではなく、“次に引き渡すまで”が仕事の一部。
慌てて帰ってしまうと、次の担当が困ることがあります。

③立哨(りっしょう)―“静の警備”で周囲を守る

出入口や工事ゲート前に立ち、周囲を監視する業務です。
動きは少なくても、常に「人・車・音・風」の変化を感じ取る集中力が求められます。

Tips

無理な姿勢を続けると疲労で注意力が落ちます。
体重のかけ方や足の位置を少し変えながら、長時間立つコツを身につけましょう。

④巡回(じゅんかい)―“動の警備”で異常を見抜く

施設や敷地を歩いて点検・確認するのが「巡回」です。
目的は“いつもと違う”に気づくこと。

Tips

慣れたルートでも「確認の型」を決めず、 少し角度を変えて見る習慣が大切です。

⑤管制(かんせい)―全体を支える“指令室”

警備員の配置・シフト調整・緊急対応を担う司令塔です。
現場では「管制から連絡があったら最優先で確認」が原則。

Tips

管制とのやり取りは、“現場の安全を守る会話”です。
短く、正確に、事実だけを伝える意識を持ちましょう。

⑥点呼(てんこ)―安全確認のスタート地点

勤務前後に行う健康・装備・勤務内容の確認手続きです。
小さな体調不良も報告することで事故を防げます。

Tips

点呼時の一言が、同僚を守るきっかけになることもあります。
無理せず申告する勇気もプロ意識のひとつです。

⑦開放(かいほう)―安全確認を終えたあとの一言

一時的に規制していた通路や道路を、元の状態に戻すこと。
「開放します」の報告が、安全作業の完了を示す合図です。

Tips

確認を省略して早く開放すると、事故の原因になることがあります。
「誰が」「いつ」「どの範囲を」開放するのかを明確に伝えましょう。

⑧片交(かたこう)―片側交互通行の略語

交通誘導の現場で使われる代表的な略語。
通行を一方向ずつ通す「片側交互通行」を指します。

Tips

信号がない道路では、片交の判断=安全そのもの。
相手誘導員との無線連携が命綱になります。

⑨資機材(しきざい)―現場の“もうひとりの仲間”

制服・無線・誘導灯・ヘルメットなど、業務に使う装備の総称。
点検や整備も重要な仕事の一部です。

Tips

資機材を整えることは、自分と仲間を守る準備でもあります。

⑩1号業務/2号業務―警備の“種類”を知っておく

警備業務は法律で4つに分類されます。
1号=施設警備、2号=交通誘導、3号=輸送警備、4号=身辺警護。

区分名称主な内容・現場例必要資格・特徴
第1号業務施設警備オフィス・商業施設・学校などの巡回・立哨・出入管理警備員指導教育責任者、施設警備検定など
第2号業務交通誘導警備道路・工事・イベント会場などでの人・車両の誘導交通誘導警備業務検定(1級/2級)
第3号業務輸送警備現金・貴重品などを安全に運搬する業務貴重品輸送警備業務検定
第4号業務身辺警護要人・個人の安全確保(ボディーガードなど)身辺警備業務検定、公安委員会許可が必要
Tips

自分がどの区分の業務をしているかを理解すると、資格取得やキャリアアップの道筋が明確になります。

言葉を知ることは、信頼を築くこと

警備業務は、チームでの連携が基本です。
一つひとつの用語を正しく理解していないと、現場での意思疎通に支障が出ることがあります。

たとえば、「下番しました」と言っても引き継ぎが終わっていなければ、次の隊員が混乱してしまいます。また、「立哨」と「巡回」を混同すると、配置や行動範囲を誤解してしまうことも。
こうした誤解を防ぐためにも、用語の理解は安全確保と信頼構築の基本となります。

本記事でご紹介した10の基本用語を正しく使えるようになれば、報告・引き継ぎ・安全確認がスムーズになり、現場の信頼も自然と高まるようになるでしょう。

警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。

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