はじめに
警備の仕事をしていると、「こんな時どうすればいいんだろう?」という瞬間がたくさんあります。
交通誘導、施設警備、イベント警備など、それぞれの現場ごとに想定外の出来事が起きるもの。今回は、警備員のみなさんが実際によく直面する場面を取り上げて、対応のコツを分かりやすくまとめました。これから警備の仕事を始める方や、現場経験がまだ浅い方にも役立つ内容になっています。
ケース①:無線で呼ばれたけれど聞き取れなかった
無線連絡は警備の基本ですが、雑音や周囲の騒音で聞き取れないこともあります。
ポイントは「正直に聞き返す」こと。無理に推測して動くと、誤った対応につながる危険があります。
「〇〇管制、こちら××。ただいまのご指示を復唱できませんでした。もう一度お願いします」
と、落ち着いて確認することが大切です。

ケース②:通行人に道を聞かれた
交通誘導中や施設警備の立哨中に、よくあるシーンです。
基本は笑顔と丁寧な対応。
ただし、持ち場を離れて案内することはできないため、指さしや簡単な言葉で答えましょう。知らない場所を聞かれた場合は「申し訳ありません」とお伝えし、無理に答えないことも大切です。
ケース③:体調が悪くなったお客さまに出会った
イベント警備や施設警備で、体調を崩す方が出ることもあります。まずは安全な場所に誘導することです。すぐに管制や責任者へ無線で報告し、救護体制を整えましょう。無理に介抱せず、専門の救護班や救急に引き継ぐのが基本です。
ケース④:工事現場で歩行者が信号無視をしてしまった
交通誘導警備中によくあるケースです。まずは自分と歩行者の安全を優先しましょう。大声で注意するよりも、ジェスチャーで「止まってください」と伝えるほうがスムーズです。危険が及ぶと判断したら、車両にストップをかける勇気も必要です。

ケース⑤:勤務中に急な雨が降ってきた
屋外での警備は天候に左右されます。レインコートや替えの靴下を常備しておくことが安心。
雨天時は視界が悪くなるため、いつも以上に声や誘導灯をはっきりと使うことが大切です。管制へ状況を伝え、必要に応じて応援を要請しましょう。

ケース⑥:上番・下番のときに管制へ報告を忘れてしまった
忙しい現場では、上番(勤務開始報告)・下番(勤務終了報告)をつい忘れてしまうことがあります。報告は「勤務の証明」であり、勤怠管理や安全確認のために欠かせません。万が一忘れてしまったら、気づいた時点ですぐに管制へ報告しましょう。
最近はスマホアプリでワンタップ報告できる仕組みもあり、導入されている現場では積極的に活用してください。

ケース⑦:お客さまからクレームを受けた
施設警備などで避けられないシーンです。まずは相手の話を最後まで聞くことが大切です。感情的にならず、「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」と一言添えるだけで印象は変わります。自分で解決できない場合は、速やかに上司や管制に引き継ぎましょう。
ケース⑧:夜勤中に強い眠気に襲われた
夜勤は警備員にとって大きな課題のひとつです。勤務前にしっかり仮眠をとっておくことが一番大切。どうしても眠気が強いときは、体を軽く動かしたり、水で顔を洗ったりしてリフレッシュをしましょう。また、無理は禁物。勤務後の帰宅時も安全運転を心がけましょう。
まとめ
警備の現場では、マニュアル通りにいかない出来事が日常茶飯事です。大切なのは「落ち着いて行動すること」と「一人で抱え込まずに管制や仲間に報告すること」。こうした対応を積み重ねることで、警備員としての信頼感が高まり、自分自身の安心にもつながります。今回はあくまでも対応方法をお伝えしました。それぞれの現場でのルールもあると思うので、参考程度に確認してください。
「こんな時どうする?」を事前にイメージしておくだけでも、現場での動き方はぐっと変わります。今日から少しずつ意識してみてくださいね。
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