朝晩の空気がひんやりしてくるこの季節。街には秋祭りやスポーツイベントのにぎわいが戻り、警備の現場も少しずつ忙しくなってきます。そんな秋の現場には、「この時期ならではの“あるある”」がいくつもあります。
そこで今回は、警備員の皆さんが直面しやすい秋冬の警備現場で起こりやすい出来事3選を紹介しながら、対策や心構えを現場目線でまとめました。
イベント・行楽地での”雑踏整理あるある”
秋は人も車も動く季節!安全な誘導がカギ
秋は、地域の祭りやスポーツ大会、紅葉シーズンなど、全国的にイベントが集中する季節。普段は静かな通りが、この時期だけ人と車でごった返します。現場では「開始直前に人が一気に押し寄せた」「通行止めに気づかない車が進入してくる」など、“秋ならではの混雑トラブル”も起こりがちです。
- 「開始直前に一気に人が押し寄せて誘導ラインが崩れそう!」
- 「通行止めを知らない車がクラクションを鳴らして突っ込んでくる!」
- 「『なんで通れないの?』と説明対応に追われる…」
秋のイベント警備は、“一瞬の判断力”と“冷静な声かけ”が求められる場面が多くなります。
特に混雑がピークになる時間帯では、人の流れを止めない・事故につながらないための工夫が重要です。
対策ポイント
- 誘導ルートを事前に確認し、「詰まりやすい箇所」を把握する
- トランシーバーでの連携を密にし、流れが止まったらすぐ共有
- 子ども連れや高齢者が多いエリアでは、声かけをやさしく・テンポよく
また、暗くなるのが早くなる秋口は、視認性の確保も忘れずに。反射ベストや誘導灯の点検を怠ると、トラブルにつながるリスクが高まります。「見えやすい・聞こえやすい」を意識した装備チェックが欠かせません。
商業施設での“秋の繁忙あるある”
買い物客が増えるこの季節、警備の目配りも増やそう
秋は「食欲の秋」と呼ばれるだけに、デパートやスーパーでは旬の食材やスイーツを求めるお客様でにぎわいます。
その一方で、“秋の繁忙期あるある”として、小さなトラブルや盗難が増える時期でもあります。
- 「レジ付近が混雑して、ちょっとしたトラブルが発生」
- 「閉店間際に売り場での不審な動きが目立つ」
- 「バックヤードに立ち入ろうとする人を制止する場面がある」
この時期は、来店者数が増える分だけ巡回の頻度やチェックポイントを見直す必要があります。とくに食料品売り場では、衛生・安全面でのリスクも意識しておきたいところです。
対策ポイント
- 特設売り場やキャンペーンブースの位置を把握しておく
- 関係者以外の立ち入りを明確に制限する
- 店舗スタッフとの情報共有を日々更新する(“昨日と同じ”は危険)
また、秋は“新米”や“旬の果物フェア”など、販売促進イベントも増えるため、「販売応援の関係者」や「一時的な出入り業者」が増える点にも注意。出入り管理をしっかり行うことで、施設全体の安全性が高まります。

季節の変わり目に起こる“体調トラブルあるある”
朝晩の冷えと突然の天候変化に要注意!
秋は、昼は暖かくても朝晩は冷え込み、1日の寒暖差が大きい季節です。外で長時間勤務する警備員にとって、これは体調を崩しやすい大きな要因となります。現場では、こんな“あるある”が少なくありません。
- 「朝は肌寒いと思って厚着したら、昼に汗をかいて風邪を引いた」
- 「夜勤中に急に冷え込み、手足がかじかんで誘導灯を落としかけた」
- 「突然の雨や風でカッパが間に合わず、体が濡れて冷えてしまった」
秋の後半になると、台風や強風などの自然災害リスクも増えます。現場では「風向き」や「冷気の通り道」を意識し、冷え込みを防ぐ立ち位置を工夫することも大切です。
対策ポイント
- 朝晩に備えて「重ね着+脱ぎやすい服装」を心がける
- 手袋・防寒インナー・カイロなどを常備しておく
- 装備品(ライト、無線、バッテリー式防寒具)は事前チェック
- 手足のしびれ・足の冷えなどのサインを見逃さない
また、無理をしない判断力も重要です。「もう少し頑張れば終わる」と我慢した結果、体を冷やして体調を崩すケースもあります。異変を感じたら、早めに上司や仲間に声をかけましょう。
まとめ:秋の「あるある」は、冬への備えのサイン
秋の現場は、気温・人の動き・天候など、すべてが“変化の多い季節”。その変化に気づき、ひとつひとつに対応していくことが、冬の安全な勤務にもつながります。
今回紹介した
- イベント警備の混雑対応
- 商業施設での防犯強化
- 体調・装備のセルフケア
これらはすべて、「秋に多いトラブル」を防ぐための実践的なヒントでもあります。現場ではどんなに経験を積んでいても、“慣れ”が油断を生むこともあります。「去年もうまくいったから大丈夫」ではなく、“今年の現場”に合わせた準備と心構えを、今一度見直してみてください。
秋の警備現場を安全に乗り切り、冬の繁忙期に向けて万全の体制を整えていきましょう。
警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。