2026年2月に株式会社あじかんが現場職を対象に実施した調査で、警備員の47.2%(n=36)が「勤務中ほぼ毎日、便意を我慢している」と回答しました。背景には「業務優先」「代替不在」といった現場特有の制約があり、日常的に離席しづらい運用が存在している可能性が示唆されています。
本記事では、この実態を起点に、警備現場における運用課題と、その先にある「人手不足」「離職」、そして解決策としてのDXの必要性まで整理します。
警備員の47.2%が「ほぼ毎日」我慢
調査によると、勤務中の便意を我慢する頻度について、警備員では以下の結果となりました。

・ほぼ毎日:47.2%
・週に数回:36.1%
・月に数回:11.1%
・月1回以下:5.6%
他職種(看護・介護、ドライバー等)と比較しても、「ほぼ毎日」の割合は高い水準です。
この結果は、警備現場において「一時的に持ち場を離れにくい状況」が一定数存在する可能性を示しています。
なぜトイレに行けないのか――構造的な3つの要因

調査では主に以下の理由が挙げられています。
① 業務を優先せざるを得ない
交通誘導や施設警備では、短時間の離席でも事故やトラブルにつながる可能性があります。
「その場を離れられない設計」が前提になっているケースが多く見られます。
② 代替要員がいない
人員配置が最小化されている現場では、交代ができない状況が発生します。
特に単独配置の現場では、離席そのものが難しい構造です。
③ 業務が立て込んでいる
繁忙時間帯や突発対応により、予定していた休憩が取れないケースもあります。
トイレ我慢は「個人の問題」ではなく運用課題
ここで重要なのは、これは個人の我慢や意識の問題ではないという点です。
トイレに行けない状態は、
- 離席できない配置設計
- 余裕のない人員体制
- 業務の属人化
といった運用上の構造課題の表れと整理できます。
現場に与える影響(離職・人手不足につながる可能性)
① 集中力・判断力の低下
身体的ストレスは注意力の低下を招き、見落としや判断遅れにつながる可能性があります。
② 現場品質の不安定化
対応の遅れやミスは、警備品質そのものに影響します。
③ 離職リスクの増加
我慢が常態化する環境は、働き続けにくさにつながります。
結果として、人手不足をさらに加速させる要因となり得ます。
「人を増やす」だけでは解決しない
人手不足の対策として「採用強化」が挙げられますが、現実的には、
- 採用コストの増加
- 定着率の低下
- 教育負担の増大
といった課題も同時に発生します。つまり“人を増やす”だけでは構造は変わらない、ということも言えるでしょう。
DXで変わる警備現場の運用
警備の現場でいうと、これまで「電話・紙・目視」で行っていた管理を、スマホやシステムでまとめて管理できるようにすることを指します。
DX導入後はこう変わる
- シフトや連絡 → すべてアプリで完結
- 出発・到着 → スマホでワンタップ報告
- 未報告の人だけ → 自動で通知
- 誰がどこにいるか → 画面で一目で分かる
つまり、「確認しにいく管理」から「見れば分かる管理」に変わります。
何がメリットなのか
これにより、現場や管理側に以下の変化が生まれます。
- 確認作業が減る→ 電話や連絡待ちが不要になる
- 管理の“待ち時間”がなくなる→ 報告を待つ時間がなくなり、その場で状況が分かる
- 少ない人数でも回せる→ 管理業務が減るため、人を増やさなくても運用できる
まとめ
警備員(n=36)の47.2%が「ほぼ毎日」トイレを我慢しているという結果は、現場において一時的に離席しづらい状況が一定数存在している可能性を示しています。
トイレに行けない状態は、単なる不便さではなく、人員配置や業務の進め方など、現場運用に何らかの無理が生じているサインとも捉えられます。
日々の業務の中で見過ごされがちなポイントではありますが、「一時的に離席できる前提になっているか」「無理のない体制で回っているか」を見直すことは、現場の安定運用にもつながります。
まずは、自社の現場運用について、見直してみてはいかがでしょうか。
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参考文献
@Press「“トイレに行きづらい職業”の便通の実態に関する調査」(株式会社あじかん / 2026年3月24日公表)