警備員の“やりがい”はどこにある？

「警備の仕事って、大変そうだけどやりがいはあるの？」
日々の業務は多岐にわたり、炎天下での巡回や夜勤、突発的なトラブル対応など、警備員には肉体的・精神的な負荷がかかる場面も少なくありません。そんな中でも、彼らが続けられる理由の一つが“やりがい”です。
今回はそのやりがいの実態を把握すべく、現役警備員の皆さんにアンケート調査を行いました。調査では、給与や待遇では測れない“心の満足度”に迫る結果が明らかに。
本記事では、警備員がどんな瞬間にやりがいを感じているのか、性別による違いにも注目しながら、現場のリアルな声を紹介します。

警備員が「やりがい」を感じる瞬間ランキング

まずは、すべての回答者を対象にした「やりがいを感じる瞬間」ランキングから見てみましょう。

特に上位2項目は突出しており、「何事もなく一日を終えられた安堵感」と「第三者からの感謝の言葉」が警備員にとって大きなやりがいになっていることがわかります。

男性隊員は「感謝されること」がやりがい

男性回答者のデータに注目すると、やりがいを感じる瞬間のトップは「施設利用者や通行人から感謝されたとき」（48.1％）でした。人との接点が少ない業務であるにもかかわらず、ふとした感謝の言葉や笑顔に触れたときに、自分の仕事が誰かのためになっているという実感が湧くのかもしれません。
また、2位には「大きな事故やトラブルなく業務を終えられたとき」（40.5％）、3位には「役に立っていると実感できたとき」（38.0％）と続きます。これらの回答から、男性隊員の多くが“無事に終わらせる責任感”と“貢献実感”の両方をやりがいの軸として捉えている様子がうかがえます。
このような傾向は、「縁の下の力持ち」としての誇りや責任感を持ちながら、人の役に立つことに価値を見出す、男性警備員の仕事観を象徴しているといえるでしょう。
自らの仕事が誰かの役に立っているという実感や、人とのつながりが、仕事へのモチベーションにつながっていることが読み取れます。これは、目立たずとも“誰かを守っている”という仕事の本質に、誇りを感じている証とも言えるのではないでしょうか。

女性隊員は「安全確保」や「評価」に重きを置く傾向

一方、女性隊員のやりがいの感じ方には、男性とは異なる傾向が見られます。トップは「大きな事故やトラブルなく業務を終えられたとき」（44.2％）であり、日々の業務のなかで“安全を守り切る”ことそのものに達成感ややりがいを感じている様子がうかがえます。
特に注目したいのは、3位にランクインした「上司や同僚に評価されたとき」の割合が男性よりも高い点です（男性は28.2％）。これは、女性隊員が職場内での信頼関係や人間関係にやりがいを見出しやすい傾向があることを示しています。また、2位に「安心・安全な現場づくりに貢献できたとき」（36.5％）が入っていることからも、目に見える成果よりも“守る仕事”に対する意識や誇りがやりがいにつながっていると考えられます。
こうした結果から、女性警備員にとっては、チームの中での信頼感や丁寧なフィードバック、安心して働ける環境づくりがモチベーション維持に直結するといえるでしょう。

やりがいの鍵は「使命感」と「人とのつながり」——そして性別による価値観の違いも

今回の調査からは、警備員にとっての“やりがい”が、日々の小さな達成感や周囲からの評価、感謝の言葉に支えられていることがわかりました。

• 1位は「無事に一日を終えられたこと」、次いで「感謝されたとき」
• 男性は「感謝」や「役立ち感」、女性は「安全確保」や「評価」にやりがいを感じやすい

このような結果から、警備員のやりがいは単なる業務遂行ではなく、社会に安心を届けているという使命感と、人とのつながりによる承認欲求の満足が大きく関係していると考えられます。
また、男女でやりがいを感じる瞬間には明確な違いがある点も注目です。男性は“感謝されること”や“役に立った実感”を重視し、周囲への貢献実感にモチベーションを見出す傾向が強いのに対し、女性は“安全確保”や“組織内での評価”に価値を置いており、結果の安定性や対人関係の良好さがやりがいに直結していると考えられます。
このような違いは、現場でのサポートのあり方やフィードバックの方法を工夫するうえで、参考になるでしょう。
日々、目立たない場所で人々の安全を守り続ける警備員の皆さん。そのやりがいを理解することは、現場環境の改善や、働き続けたい職場づくりの第一歩になるかもしれません。

調査概要

調査方法：インターネット調査
調査地域：全国
調査対象：現役の警備員である20代以上の男女
サンプル数：131人
調査期間：2025年6月25日(水)～6月26日(木)
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