警備員の仕事に興味はあるけれど、 「前職調査があると聞いて少し不安」 「過去の経歴を調べられるのが正直こわい」 そんな気持ちを抱えていませんか。
警備業界では、採用の際に前職調査が行われることがあります。言葉だけ聞くと身構えてしまいますが、これは決して珍しいことではありません。
この記事では、
- なぜ警備員に前職調査が必要なのか
- 警備業法で定められた欠格事由とは何か
- 1号〜4号警備で条件に違いはあるのか
- 前職調査とリファレンスチェックの違い
を、これから警備員を目指す方にもわかりやすく解説します。
前職調査は「落とすため」ではありません
警備業界で行われる前職調査は、応募者を疑ったり、過去を責めたりするためのものではありません。警備業法という法律に基づき、「警備員になれない人に当たらないか」を確認するため、警備会社が行う必要な確認作業です。
これまで普通に生活してきた18歳以上の方であれば、必要以上に恐れる必要はありません。
なぜ警備員には前職調査が必要なのか
警備員は、建物や人、現金や貴重品、そして社会の秩序を守る仕事です。そのため警備業界には、一般的な仕事よりも厳しいルールがあり、警備業法によって細かく定められています。警備会社は、欠格事由に当たる人を採用してしまうと、会社そのものが法律違反になります。
だからこそ前職調査は、会社の判断ではなく、法律上ほぼ義務として行われているものなのです。
欠格事由は「誰かを排除するための制度」ではありません
ここで紹介する欠格事由は、 「少しでも当てはまったら即アウト」というものではありません。
- 一定期間が経過すれば対象外になるもの
- 医師の判断で問題ないとされるもの
も多く含まれています。
過去を罰するためではなく、 警備という仕事を安全に任せられるかを判断する基準という点を押さえておきましょう。
警備業法で定められている「欠格事由」とは

欠格事由(けっかくじゆう)とは、警備業法で定められた「警備員になれない条件」を指します。
警備員の欠格事由
年齢
内容:18歳未満
例:高校在学中など
補足:18歳に達すれば解消されます。
犯罪歴
内容:禁錮以上の刑
例:窃盗・暴行・傷害など
補足:刑終了後5年未満は不可。
特定犯罪
内容:一定の法律違反
例:刑法、銃刀法、暴力行為等処罰法
補足:内容により厳格判断。
反社会的勢力
内容:暴力団員・関係者
例:元構成員、資金提供など
補足:事実上、恒久的に不可。
心身の状態
内容:業務に支障がある状態
例:精神障害、薬物・アルコール中毒
補足:医師の診断で可となる場合あり。
経済状況
内容:破産手続中
例:免責前の自己破産
補足:復権後は対象外。
行政処分歴
内容:警備業認定取消
例:取消後5年未満
補足:法人役員も対象。
常習性
内容:常習的に法を犯す恐れ
例:繰り返しの違反行為
補足:総合判断。
※警備業法 第3条・第14条
「号数が違えば条件も違う?」というよくある誤解
警備業務には、以下のような区分(号数)があります。
- 1号警備:施設警備
- 2号警備:交通誘導・雑踏警備
- 3号警備:現金・貴重品輸送警備
- 4号警備:身辺警護
「交通誘導だから条件が緩い」「施設警備なら大丈夫」と思われがちですが、欠格事由はすべての号数に共通です。 警備員として働くための基本条件に、号数の違いはありません。
前職調査とリファレンスチェックの違い
混同されがちな2つの調査ですが、目的は大きく異なります。
前職調査
目的:経歴の事実確認・欠格事由確認
内容:学歴・職歴、法令違反の有無
調査先:企業側が選定
性質:ネガティブチェック中心
条件:本人同意必須
リファレンスチェック
目的:人柄・仕事ぶりの把握
内容:勤務態度、協調性、評価
調査先:応募者が推薦
性質:ポジ・ネガ両面
条件:本人同意必須
前職調査は“信頼して現場に立つための入口”
「すぐ辞めてしまった」「人間関係がうまくいかなかった」こうした経験を持つ人は、決して珍しくありません。大切なのは、隠すことではなく、どう向き合っているかです。
失敗を振り返り、次にどう生かすかを語れる人は、警備会社から見ても前向きに映ります。
前職調査は、あなたを落とすためのものではありません。安心して警備の仕事を任せるための、信頼確認の第一歩です。
過去よりも、これからどう働くかが重視されるのが警備業界です。
正直に、誠実に向き合えば、必要以上に心配することはありません。
警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。あなたの新しいスタートを、心から応援しています。
参考・出典
- 警備業法 第3条・第14条
- 警察庁「警備業制度の概要」