年末年始は、年間を通じて警備需要が最も高まる時期です。初詣、初売り、観光地の混雑、物流量の増加など、人流が一気に増えることで現場数もシフト変更も急増します。その結果、欠員補填の手配・開始/終了報告の確認・日報の回収・勤務時間の管理など、多くの業務が同時に押し寄せ、管制担当者の負荷は年間で最も大きくなります。
しかし本質的な問題は「忙しいこと」ではありません。電話・紙・Excelでは情報更新が追いつかず、“情報のズレ”が短時間で連鎖的に発生することこそ、混乱の最大要因です。
そこで効果を発揮するのが クラウド勤怠管理という「情報を揃える仕組み」 です。
本記事では、年末年始の混乱がなぜ起きるのか、クラウドがどのように負荷を減らすのかを、実例も交えて解説します。
年末年始が警備業界で一番忙しくなる理由
年末年始は、警備需要が短期間に集中します。
- 初詣・初売りによる商業施設や神社仏閣の警備
- 観光地や交通拠点での人流増加
- 年末商戦・年始対応による物流量の増大
これらが同時に発生するため、現場数が増えるだけでなく、欠員や遅延、急な現場変更も頻発します。
結果として、管制には「判断」「連絡」「調整」が短時間で大量に押し寄せる構造になります。
管制が混乱する本当の原因は「情報のズレ」
欠員・遅延・変更が同時に発生する構造
年末年始の管制では、複数の現場で同時に変更が発生します。
欠員が出れば代替要員の手配が必要になり、その連絡と確認が連鎖的に広がります。
電話・紙・Excelでは更新が追いつかない
アナログ運用では「電話メモ」「紙の日報」「担当者ごとのExcel」といった形で情報が分散します。
その結果、「人によって持っている情報が違う」「どれが最新版かわからない」という状態が生まれ、混乱が加速します。

Excel改善では限界がある理由
最新版が人によって違ってしまう
Excelを工夫しても、更新は基本的に“手動”です。
誰かが入力し、誰かが確認し、共有されるまでに必ず時間差が生まれます。
年末年始のように変更が連続する状況では、この時間差が致命的になります。
現場からの情報反映が遅れる
現場の上下番報告や日報提出が電話や紙に依存していると、情報は後追いでしか集まりません。
結果として、勤務実態や労務状況をリアルタイムで把握できず、対応が遅れてしまいます。
年末年始の管制を支えるクラウド勤怠管理とは
情報をリアルタイムで一元管理できる
クラウド勤怠管理では、シフト・配置・勤務実績などの情報を一つの画面で管理できます。
入力と同時に全員へ反映されるため、更新のズレが発生しません。
日報・勤怠を自動で整理できる
日報フォーマットが統一され、提出と同時に勤怠データへ反映されます。
転記作業が不要になり、締め日前後の業務集中も緩和されます。
労務リスクを事前に把握できる
勤務超過や連続勤務、休憩不足の兆候をシステムが自動で検知します。
問題が起きてからではなく、「起きる前」に気づける点が大きな特徴です。
クラウド勤怠管理で管制業務はどう変わるのか

誰の画面も“最新版”になる|情報をリアルタイムで一元管理
年末年始は欠員や遅延、現場変更が増えるため、シフト変更が連鎖的に発生しやすくなります。アナログ運用では、担当者ごとの電話メモやExcelが複数存在し、「人によって最新版が違う」状態が起こりやすく、これが混乱の根本原因になります。
クラウドでは、シフトや変更内容が ひとつの画面で一元管理 され、入力と同時に全員へ反映されます。「更新タイミングのズレがなくなる」「隊員・管制・管理者が同じ情報を参照できる」「再調整の負荷が大幅に減る」ため、混乱の根本要因である“情報のズレ”を発生させない仕組み ができあがります。
「集める・転記する」作業がなくなる|日報・勤怠の自動整理
紙の日報は現場ごとに書式が異なり、読み取りづらさや記入漏れが発生しやすいため、確認・修正・転記に時間が奪われます。提出が遅れれば、勤怠集計は締め日前に集中し、管制担当者の負担がさらに重くなります。
クラウド日報では、フォーマットが統一され、提出と同時に勤怠データへ反映されます。転記作業がゼロになり、締め日の負荷を分散できます。管制担当者は「集める・直す」から「確認する」だけに作業をシフトできます。
「気づいた時には遅い」を防ぐ|労務リスクの自動検知
年末年始は勤務時間が伸びたり連続勤務が増えやすいため、隊員の健康管理や法令順守の観点から注意が必要です。しかしアナログ運用では、日報提出や連絡の遅れにより、勤務時間の実態を後追いでしか把握できない構造があるため、問題が起きてから気づくケースも少なくありません。
クラウド勤怠管理では、勤務超過や休憩不足、連続勤務の兆候をシステムが自動で検知し通知します。
問題が起きる前に気づける ため、適切な配置変更や休憩付与などが行いやすくなります。
事例で見る、年末年始でも管制が回る警備会社の共通点
ALSOK東京の事例から見る「クラウド化による管制負荷の軽減」
導入前に起きていたこと
東京エリアで施設警備・常駐警備などを展開する ALSOK東京株式会社 では、上番・下番や現場変更の連絡を電話で受け、Excelに入力して管理する運用が続いていました。特に繁忙期には、管制室への電話が短時間に集中し、連絡対応と入力作業が同時に発生する状態が常態化していたといいます。
実際、繁忙期には管制室への電話が1日あたり約400件に達する日もあったと報告されており、管制担当者は電話対応に追われ、本来行うべき配置判断や臨時対応に十分な時間を割けない状況でした。シフト変更や勤務報告が重なる時期ほど、情報整理と判断の余地が奪われていた点が大きな課題でした。
DX導入後に変わった点
こうした課題に対し、同社では警備業向けクラウド日報システム 『日報365 for 警備』を導入し、上番・下番報告や勤務実績をスマートフォンから直接入力する運用へ移行しました。その結果、従来は電話で行っていた上下番報告が大幅に減少し、管制側では勤務状況や配置状況をリアルタイムで画面上から把握できるようになりました。
電話対応に割かれていた時間が減ったことで、管制担当者は臨時要員の手配や配置調整といった判断業務に集中できるようになり、繁忙期でも管制業務が滞りにくい体制が整ったとされています。情報が即時に可視化されることで、繁忙期においても現場対応の余地を確保できるようになった点が大きな変化です。
『日報365 for 警備』とは

日報365 for 警備は、警備業務に特化したクラウド型の日報・勤怠管理システムです。
隊員がスマートフォンから上下番報告や日報を入力することで、勤務実績や配置状況をリアルタイムで一元管理できます。
電話や紙の日報に依存せず、現場と管制の情報を即時に共有できるため、繁忙期に上下番報告やシフト変更が集中する現場でも、管制業務の負荷を抑えやすい点 が特徴です。
東アジア警備保障有限会社の事例に見る「管制負荷の軽減」
導入前に起きていたこと
東アジア警備保障有限会社(岩手県・青森県・秋田県に5拠点を展開)では、ホワイトボードと電話を中心としたアナログな配置管理が長年続いていました。各拠点で上下番の電話連絡が朝方と夕方に集中し、その時間帯は他の業務ができなくなるほど管制が逼迫していたといいます。
また、先の予定はExcelで別管理しており、ホワイトボードとの二重管理が発生。人手不足のなかで、拠点ごとの配置業務が属人化している点も課題でした。
DX導入後に変わった点
同社では、クラウド型オールインワン警備業システム「KOMAINU(こまいぬ)」を導入。約120名の隊員がスマートフォンを使って上下番報告や配置確認を行う運用へ移行しました。
その結果、電話による上下番報告が大幅に減少し、管制側はリアルタイムで勤務状況を把握できるようになりました。「誰が・どの現場に・いつ入って・いつ終わったか」が即座に確認できるようになり、確認作業や心理的な負担が減少しました。
『KOMAINU』とは

KOMAINUは、警備業務に必要な配置管理・上下番報告・申請管理をまとめて行えるクラウドサービスです。ドラッグ&ドロップによる直感的な操作性が特徴で、ITに不慣れな担当者や隊員にも浸透しやすい点が評価されています。
電話連絡に依存しない管制体制を構築できるため、少人数でも回る管制運用や、将来的な管制一拠点化を見据えた基盤として活用されています。
株式会社山和のDX化による「管理工数削減と属人化解消」
導入前に起きていたこと
関西エリアで警備業務を展開する株式会社山和では、勤怠管理・給与計算・請求処理などの業務を、紙・Excel・複数の管理ツールで分散して運用していました。
隊員数の増加に伴い、転記作業や確認作業が増え、「誰がどの情報を管理しているのか分かりづらい」「管制業務が特定の担当者に依存してしまう」といった属人化が課題となっていました。
また、隊員への連絡や現場状況の把握も電話や手作業が中心で、急なシフト変更時には確認や調整に時間がかかり、管理部門の負担が大きくなっていたとされています。
DX導入後に変わった点
同社では、警備業向けクラウド型一元管理システム「警備フォース」を導入しました。配置管理・上下番管理・勤怠・給与・請求までをクラウド上で一元化し、分散していた情報を一つの画面で確認できる運用へ移行しています。
その結果、これまで手作業で行っていた集計・転記業務が大幅に削減され、管理工数は約50%削減。情報の可視化が進んだことで、管制業務の属人化も緩和され、複数人で業務を分担できる体制が整いました。また、隊員の出発・到着状況を把握しやすくなり、連絡の行き違いや確認漏れが起きにくい運用へと改善されています。
『警備フォース』とは

警備フォースは、警備業務に必要な配置管理・勤怠管理・給与計算・請求処理を一元管理できるクラウド型システムです。現場と管制、管理部門の情報をまとめて扱える点が特徴で、管理業務の効率化と属人化の解消を同時に進めやすい仕組みを備えています。
特に、隊員数が増えたことで管理業務が煩雑化している企業や、電話・Excel中心の運用から脱却したい企業にとって、業務全体を整理するための基盤として活用されています。
年末年始の混乱は“運用の工夫”ではなく“仕組み”で防ぐ
年末年始の混乱は、繁忙そのものが原因ではなく、警備業務の構造とアナログ運用の限界が重なることで起きる現象です。クラウド勤怠管理は、分散した現場の情報をまとめ、提出物を標準化し、労務状況を早期に把握できるようにすることで、構造的な負荷を下支えする基盤として機能します。
次の年末年始に向けて、「どこで情報のズレが生まれているのか」「現場と管制がリアルタイムにつながっているか」を見直すことが、運用の安定化と管制担当者の負担軽減につながります。
警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。