警備員というと、「夜勤ばかり」「24時間勤務が大変そう」というイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが実際は、勤務時間を自分のライフスタイルに合わせやすい職種です。
日勤・夜勤・当直(24時間勤務)・シフト制など、現場の種類によって働き方が分かれており、「朝型」「夜型」「週末だけ」など、自分に合う働き方を選べるのが警備職の大きな魅力です。
家庭の予定を優先したい人、副業として働きたい人、定年後も無理なく働きたい人など、間口が広く、誰にとっても働きやすい業界といえるでしょう。
この記事では、自分に合った働き方を選べるよう、勤務形態の特徴や日常の業務イメージ、働きやすくするためのポイントを整理して解説します。
ライフスタイルで選ぶ警備の働き方
警備の仕事は「現場が24時間必要とされる」ため、勤務時間帯がさまざまに設定されています。そのため、働く人の都合に合わせた柔軟なシフト調整ができるのです。
警備業界では、主に以下の4つの勤務形態が採用されています。
1.朝の時間を活かす「日勤型」
商業施設やオフィスビル、学校などで勤務するスタイル。
人の出入りが多い時間帯に、受付・巡回・報告などを行います。
- 安定した生活リズム
- 土日休みや固定休を取りやすい
- 未経験でも始めやすい
2. 静かな夜を守る「夜勤型」
工場や病院、オフィスビルなどでは、夜間に人が少なくなるため警備員が常駐します。
モニター監視や定期巡回が中心で、落ち着いた環境で働けます。
- 深夜手当がつき収入が安定
- 日中に自由時間を取りやすい
- 集中力を活かせる仕事
3.拠点を守り抜く「当直(24時間)型」
マンション・大学・オフィスビルなど、24時間人が必要な現場で勤務。
日中は受付・巡回、夜間は仮眠を取りながら待機業務を行います。
勤務時間は長いですが、翌日は休みになるケースが多く、「まとめて働いてしっかり休む」というペースが合う方に人気です。
労働法上も、当直勤務には「宿日直許可」などの届出が必要で、仮眠や休憩の時間が確保されるよう、制度的に守られています。
4.柔軟に働ける「シフト・交代制」
イベント警備や交通誘導などでは、日ごと・週ごとに勤務時間が変わります。
最近は、アプリで希望シフトを提出できる会社も増えています。
- 家庭・学業との両立がしやすい
- ダブルワークにも対応可
- チームでサポートし合える環境が多い
実際の24時間勤務はこうなっている
「24時間勤務」と聞くと、“ずっと働き続ける”ようなイメージを持たれがちですが、実際は違います。施設常駐の当直勤務では、仮眠や休憩の時間がきちんと設けられています。
たとえば、次のようなスケジュールです。
| 時間帯 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00〜17:00 | 日中業務(来客対応・巡回など) |
| 17:00〜21:00 | 引き継ぎ・巡回・休憩 |
| 21:00〜翌6:00 | 仮眠または夜間監視 |
| 6:00〜9:00 | 朝の巡回・引き継ぎ |
このように、「働く」「休む」「待機する」時間が明確に分かれており、身体を休める仕組みが整っています。
また、夜間は人が少ないため、巡回や監視が中心。静かな環境で集中して働けるのも特徴です。
不安を感じるポイントと、その向き合い方
警備業界に入る前に「長時間勤務が大変そう」「夜勤で体調を崩しそう」といった不安を抱く方は多いのではないでしょうか。ここでは、よくある不安とその対処法を紹介します。
不安①:24時間勤務は体力的にきつそう
対処法:仮眠時間や休憩体制を事前に確認しましょう。
施設警備では、労働時間の管理が法律で定められており(労働基準法第32条)、会社は必ず休憩時間を確保する必要があります。また、最近では「仮眠室の整備」や「交代制の導入」によって、負担軽減が進んでいます。勤務先を選ぶときは、「休憩時間」「仮眠環境」「交代体制」をチェックするのがおすすめです。
不安②:勤務時間がバラバラで生活リズムが乱れそう
対処法:勤務パターンを固定する働き方を選びましょう。
警備会社の多くでは、「日勤専門」「夜勤専属」など、希望シフトを出せる制度を導入しています。また、スマホで勤怠を管理できるシステムなどを活用することで、シフトの見える化・調整がしやすくなっています。勤務予定を早めに把握し、食事・睡眠リズムを一定に保つことで、体調の安定にもつながります。
不安③:未経験でも時間管理ができるか不安
対処法:研修とフォロー体制を活用しましょう。
警備業法では、新任教育(30時間以上)+現任教育(年2回・10時間以上)が義務付けられています。この研修では、勤務時間の過ごし方や体調管理の基本も学べます。
さらに現場では、ベテラン隊員がシフトの過ごし方や休憩のタイミングを教えてくれるため、実践的に身につけることができます。
“働きやすさ”を支える仕組みが整ってきている

近年の警備現場では、紙や口頭報告が主流だった時代から、スマホやタブレットで出退勤を管理する時代へ、勤怠・報告のDX化が進んでいます。
- 出退勤をGPSで自動記録
- 仮眠・休憩時間もデータ化
- 管制担当がリアルタイムで状況を確認
これにより、「報告漏れ」や「連絡ミス」が大幅に減り、 勤務の公平性・安全性も高まりました。 DX化は、現場で働く隊員の安心を支える“見えないサポート”といえます。
自分のペースで働ける“柔軟な仕事”がここにある
警備の仕事は、「24時間勤務=きつい」というイメージとは違い、時間の選択肢が豊富で、誰にでもチャンスがある仕事です。
- 日勤・夜勤・当直・シフト制など、多様な働き方があるライフスタイルに合わせてシフトを選べる
- 勤怠管理のシステム化で働きやすさが向上している
働き方が多様化している今、警備業界もその波の中にあります。副業・定年後・家庭と両立――どんなライフステージの人にも「ちょうどいい働き方」が見つかります。「無理せず長く働きたい」「自分のペースで社会に関わりたい」そんな方にこそ、警備の仕事は向いています。安心して働ける環境を整えながら、あなたらしい働き方を見つけてみてください。
警備NEXT(警備ネクスト)では、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。