警備会社の求人を見ると、「日払いOK」「週払いOK」といった条件を見かけることが増えています。特に交通誘導警備やイベント警備の求人では、日払い制度を導入している企業も少なくありません。
しかし、日払い制度は単に「その日に給料がもらえる制度」というわけではありません。企業にとっては採用戦略の一つであり、人材確保のための重要な制度でもあります。警備業界では慢性的な人材不足が続いており、採用競争は年々激しくなっています。その中で、給与制度の柔軟性は求職者の応募行動にも大きく影響する要素となっています。
本記事では、警備会社が日払い制度を導入する背景やメリット・デメリット、さらに近年普及している給与前払いサービスについて、経営視点から解説します。
警備業界で「日払い求人」が増えている理由

警備業界で日払い制度が増えている最大の理由は“人材不足”です。警備業界は高齢化が進んでおり、若年層の採用が難しい状況が続いています。さらに建設工事や大型イベントの増加により警備需要は高まっており、人材確保は多くの企業にとって大きな課題となっています。
求職者が仕事を探す際には、次のような条件を比較することが一般的です。
・時給
・勤務地
・勤務日数
・給与支払い方法
このうち、「日払い」は応募を増やすきっかけになる条件の一つです。求人検索サイトでは「日払い」「即日払い」などのキーワードで仕事を探す求職者も多く、採用競争力を高める要素となっています。
また、警備業は「短期案件」「単発現場」「週1勤務」など柔軟な働き方が可能なケースが多く、日払い制度との相性が良い業界でもあります。
日払いとは?警備業界の給与制度を整理
まず理解しておきたいのが、「日払い」という言葉の意味です。多くの求職者は「日払い=その日に給与がもらえる」と考えがちですが、実際には少し異なります。
一般的に日払いとは、給与計算の締め日が1日単位である給与制度を指します。つまり、1日働いた分の給与を日単位で計算する仕組みです。給与制度には次のような種類があります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 日払い | 1日単位で給与計算 |
| 週払い | 週単位で支払い |
| 月払い | 月単位で支払い |
| 給与前払い | 働いた分を給料日前に受取 |
求人広告では「日払いOK(規定あり)」という表記をよく見かけます。この「規定あり」は、次のような条件を指すことが一般的です。
・引き出し上限
・利用回数制限
・振込手数料
・利用時間
企業はこうしたルールを設けることで、資金管理のリスクを抑えながら制度を運用しています。
警備会社が日払い制度を導入する3つの理由

採用競争力を高めるため
警備業界では人材確保が難しくなっており、求人条件の差別化が重要になっています。求人広告に「日払いOK」と掲載することで、求職者の検索に引っかかりやすくなり、応募数が増えるケースがあります。
短期人材を確保するため
交通誘導警備やイベント警備では、短期間で多くの人材を確保する必要があります。日払い制度は、短期で働きたい求職者にとって魅力的な条件となるため、人材確保の手段として有効です。
若年層の応募を増やすため
アルバイト市場では「すぐに収入を得られる仕事」を求める傾向があり、日払い制度は若年層の応募につながる可能性があります。
日払い制度のデメリット
一方で、日払い制度には企業側の負担もあります。
資金繰りへの影響
警備業では警備料金の入金が
・翌月払い
・翌々月払い
になることが多く、企業はクライアントから入金される前に給与を支払う必要がある場合があります。
管理業務の増加
日払い制度では、
・勤怠確認
・給与計算
・振込処理
など担当者の業務と負担が増える可能性があります。
短期志向の人材が増える
日払い求人は短期志向の求職者が集まりやすく、長期雇用を前提とした採用戦略とは相性が合わない場合もあります。
日払いの代替として広がる給与前払いサービス
こうした課題を解決する方法として、近年は給与前払いサービスを導入する企業が増えています。給与前払いサービスとは、働いた分の給与の一部を給料日前に受け取れる仕組みです。企業が直接給与を前払いする必要がなく、外部サービスを利用して給与前払いを実現できます。
警備会社向け給与前払いサービス3選
給与前払いサービス比較
| サービス | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| hibarai | クレジット決済型 | 手数料約2.8% | 中小企業 |
| 速払いサービス | 振込型 | 個別見積 | 中〜大企業 |
| JOBPAY | ATM型 | 月額5500円~ | 中小企業 |
日払い給与をまとめてクレカ払いできる「hibarai(ヒバライ)」
hibaraiは、クレジットカード決済を利用して給与日払いを実現するサービスです。
特徴
・クレジットカード決済で日払いを実現
・企業は月1回まとめて精算
・24時間振込対応
・給与履歴管理機能
料金
・手数料は金融機関にかかわらず、1万円までは一律500円(税別)
・1万円を超える場合は、振込金額に対して2.8%+220円/件(税別)
向いている企業
・中小規模の警備会社
・日払い制度を導入したい企業
・資金立替を避けたい企業
働いた分の給与を給料日前に受け取れる「速払いサービス」

apseedsの速払いサービスは、給与日前に働いた分の給与を受け取れる前払いサービスです。
特徴
・スマホから申請
・最短即日振込
・運用サポートあり
・マイナビグループが運営
料金
料金は公開されていません。お問合せが必要です。
向いている企業
・従業員数が多い企業
・給与管理を効率化したい企業
・勤怠システムを導入している企業
給与前払いサービス「JOBPAY」
JOBPAYは、ATMから給与を引き出せる給与前払いサービスです。
特徴
・全国ATMで受取可能
・24時間利用可能
・専用カードで出金
・銀行口座不要
料金
・初期費用:無料
・月額費用:5500円~
・ATM利用料:440円(ATM手数料込)
※契約内容により異なります。お問合せが必要です。
向いている企業
・警備会社
・派遣会社
・アルバイト人材が多い企業
警備会社が給与制度を選ぶポイント
給与前払いサービスを導入する際には、次の点を検討することが重要です。
会社規模
従業員数が多い企業は、システム連携が可能なサービスを選ぶと管理負担を減らすことができます。
アルバイト比率
アルバイトや短期雇用が多い企業では、給与前払い制度が採用競争力を高める可能性があります。
採用戦略
長期雇用を重視する企業と、短期人材を確保したい企業では最適な給与制度が異なります。
まとめ
警備業界では人材不足が続く中、日払い制度や給与前払いサービスを導入する企業が増えています。
給与前払いサービスは、
・採用競争力の向上
・従業員満足度の向上
・資金繰り負担の軽減
といったメリットがあり、警備会社にとって有効な制度の一つです。
ご紹介したように複数のサービスが登場しており、企業規模や運用体制に応じて選択することが重要です。
採用競争が激化する現在、給与制度の柔軟性は警備会社の採用力にも直結します。自社の人材戦略や経営状況に合わせて、最適な制度を検討してみてはいかがでしょうか。
警備NEXT(警備ネクスト)では、今後も現場実務に役立つ知見や情報を発信してまいります。日々の業務改革や将来の体制づくりに、少しでもお役立ていただければ幸いです。