警備員の制服は、ただの「仕事着」ではありません。現場で働く私たちにとっては、信頼を示すシンボルであり、プロ意識を表す大切な装備です。制服の着こなしひとつで「この警備員さんは頼れそうだ」と思ってもらえることもあれば、逆に「だらしない」と見られてしまうこともあります。
また、汗をかきやすい夏や、雨や汚れがつきやすい現場では、制服の手入れを怠ると衛生面にも影響が出てしまいます。今回は、「正しい着方」と「日常の手入れ」をまとめた基本マニュアルとして、現場で役立つポイントを整理しました。
制服の正しい着方 ― 信頼を得る第一歩
制服は、ただ支給されたものを着れば良いというわけではありません。着こなしには一定のルールがあり、それを守ることで「安心感」や「信頼感」を相手に与えることができます。だらしない着方は、不信感やクレームにつながる恐れもあるため注意が必要です。ここでは基本的な着用ポイントを確認していきましょう。
基本は「清潔感」と「正しいサイズ」
制服が清潔かどうか、そして体型に合っているかどうかは第一印象を大きく左右します。サイズが大きすぎればだらしなく、小さすぎれば窮屈で動きにくい印象を与えます。シャツはしっかりアイロンをかけ、襟元の汚れがないようにしましょう。
シャツ・防寒着の着こなし
季節によって着用するアイテムは変わりますが、どんな場合も「規定どおりに整えて着る」ことが基本です。夏の半袖シャツは透け防止のインナーを着用し、冬場のブルゾンは襟を立てすぎず、ファスナーを胸の位置まで上げるなど、見た目のバランスを意識します。

帽子・制帽の正しいかぶり方
制服の中で特に目立つのが制帽です。かぶり方ひとつで印象が大きく変わります。深すぎず浅すぎず額にフィットさせ、つばは水平を意識しましょう。斜めにかぶると軽い印象になり、信頼感を損なうので注意が必要です。
ベルト・装備品の位置
ベルトは腰骨の位置できちんと締めることで、制服全体のシルエットが整います。トランシーバーや警笛などの装備品を装着する場合は、勤務先で定められた位置に従うことが大切です。
靴・靴下の注意点
靴は「歩く道具」であると同時に「見られる部分」でもあります。日頃から磨き、泥やほこりを落とす習慣をつけましょう。靴下は黒や紺の無地を選び、柄物は避けるのが無難です。
制服の手入れ ― 毎日の小さな習慣が差をつくる
どんなにきちんと着ていても、制服が汚れていたりヨレヨレだったりすると台無しです。手入れは一度に時間をかけるよりも、毎日の小さな積み重ねが大切です。ここでは具体的なケア方法を紹介します。
シャツ・ズボンの洗濯方法
制服は通常の衣類よりも使用頻度が高いため、型崩れや色落ちを防ぐ工夫が必要です。洗濯ネットに入れて洗うことで生地が傷みにくくなります。柔軟剤は控えめにし、強すぎる香りは避けましょう。
アイロンがけの基本
アイロンは「形を整える」ための必須作業です。特に襟・袖口・前立て部分はきっちり仕上げると、清潔感が格段に増します。ズボンの折り目をまっすぐ入れることも大切です。
制帽の手入れ
制帽は見た目に直結する部分なので、常に清潔に保ちましょう。表面のホコリはブラシで取り除き、汗ジミがついた場合は固く絞ったタオルでやさしく拭き取ります。
靴の手入れ
靴は現場で最も汚れやすい部分です。日常的にブラッシングを行い、週に一度はクリームで磨くと光沢が保てます。雨の日は新聞紙を詰めて乾燥させ、型崩れを防ぐのもポイントです。
夏場の汗・におい対策
夏は汗によるにおいが気になる季節です。インナーを着て汗を直接シャツに付けないようにしましょう。制服は最低でも週2〜3回は洗濯し、消臭スプレーはあくまで応急処置と考え、基本は洗濯で清潔を保つことが重要です。


よくあるNG例と改善ポイント
実際の現場では、意外と「やりがちなNG行動」が見られます。小さなことでも積み重なれば、依頼主や通行人に不信感を与えかねません。代表的な例と改善策を見ていきましょう。
- シャツの第一ボタンを開けっぱなし → 清潔感に欠け、規定違反になる場合も。
- ヨレヨレのシャツ → 「疲れている人」という印象を与える。アイロンがけで改善。
- 靴が泥だらけ → 「だらしない」「頼れない」と思われやすい。最低限のブラッシングを習慣化。
- 制帽を斜めや後ろにかぶる → 軽薄に見え、プロらしさを損なう。水平を意識すること。
制服を整えるメリット
制服を整えることは手間ではなく、実は大きなメリットがあります。
- 第一印象が良くなる
依頼主や通行人に「安心して任せられる」と思ってもらえる。 - 自分の気持ちが引き締まる
身だしなみを整えると自然と姿勢が良くなり、業務への集中力が増す。 - トラブルを防げる
規定に沿った着こなしはクレーム防止にもつながります。
まとめ
警備員の制服は「信頼を築くための道具」であり「自分を守る装備」でもあります。
清潔で正しい着こなし、そして毎日の手入れという小さな習慣が、現場での評価や信頼につながります。
制服を整えることは、プロの警備員としての第一歩。自分自身の意識を高めるためにも、ぜひ今日から実践してみてください。
警備NEXTでは、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。