慢性的な人材不足が続く警備業界では、ロボットと人が協力し合う新しい警備体制に注目が集まっています。今回、賃貸マンションの現場でその一歩となる取り組みが始まりました。本記事では、その最新事例をご紹介します。
警備とホスピタリティを両立へ

乾汽船株式会社は、東京都中央区の大型賃貸マンション「プラザタワー勝どき」に、警備ロボット「ugo Pro(ユーゴプロ)」を導入しました。
同社は従来からマンション管理業務を手掛けていますが、入居者に安心と快適を提供するため、警備体制の強化とホスピタリティの両立を目指し、ロボット活用を開始した形です。
「ugo Pro」の役割
「ugo Pro」は、AIとロボティクスを組み合わせた次世代警備ソリューション。主な機能は以下の通りです。
- 自律巡回:あらかじめ設定されたルートを自動で巡回
- 遠隔操作:必要に応じて管理室から手動で操作可能
- 顔認証・不審者検知:防犯カメラと連携したセキュリティ強化
- 入居者対応:インターホン機能を活用したコミュニケーション
これにより、人的警備員とロボットが協働する体制が構築され、効率的な防犯とサービス向上が期待されています。
背景にある課題
警備業界では、慢性的な人手不足や労務環境の改善が求められています。特にマンション警備は24時間体制が基本で、担い手確保が難しい状況です。
乾汽船はこの課題に対応するため、テクノロジーを積極的に導入し、省人化と品質向上を両立する取り組みを進めています。
今後の展望
同社は今回の導入を実証的な取り組みと位置づけ、入居者からの評価や運用データをもとに、警備ロボットの活用範囲を拡大していく方針です。
また、将来的には他の管理物件への展開や、警備だけでなく受付・案内などホスピタリティ業務への応用も検討されています。
マンション警備の未来
警備NEXT編集部では、この取り組みを「警備×生活サービスの融合」の象徴と捉えています。
従来のマンション警備は「安全確保」が中心でしたが、近年は居住者の安心感や利便性を高める「ホスピタリティ」要素が重視されています。警備ロボットは、単に“警備員の代替”ではなく、入居者の安心感を支える「新しい顔」として期待されています。
業界トレンド解説
- ロボット導入は加速傾向:商業施設やオフィスビルでの警備ロボット活用はすでに進んでおり、マンション分野への展開は新しい流れ。
- DXと人材不足対応:警備員の採用難が続く中、DX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化が喫緊の課題。ロボット導入はその一手。
- “人とロボットの協働”が鍵:完全自動化ではなく、現場警備員の補完役としてロボットをどう位置付けるかが成功のポイント。
マンションは住まいという生活の場であるため、利用者が安心感を持てるかどうかが重要です。今後は「警備品質」だけでなく「暮らしの満足度」に直結するロボット活用が広がると見られます。
『警備NEXT』では、今後も警備業界のニュースを皆さまにお届けしていきます。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
🔗出典:ugo株式会社「乾汽船株式会社、プラザタワー勝どきに警備ロボット『ugo Pro』を導入」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000034305.html