警備員資格の最短取得ルート!来年に向けた勉強法とスケジュール

人材育成

警備員として働く中で「もっと責任ある現場を任されたい」「資格を取って待遇を上げたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
警備員資格は、現場での活躍の幅を広げ、キャリアアップにも直結する大切なステップです。しかし、仕事と勉強を両立しながら資格取得を目指すのは簡単ではありません。

警備員資格は、新任教育を修了してすぐに受験できるものではなく、原則として当該業務の1年以上の実務経験がなければ受験できません。しかし、特別講習(指定講習)を受講・修了すれば、半年〜1年以内の受験を目指すことも可能です。そのため、現場経験の有無や選ぶルートによって、準備期間は大きく変わります。

そこで本記事では、最短で警備員資格を取得するための勉強法とスケジュール設計について解説します。これから資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

警備員資格とは?基本をおさらい

法定研修の位置づけ

警備員として働くには、まず「新任教育」が必須です。警備業法(警備業法第21条)では、新任教育として20時間以上の研修(座学+実技)が義務付けられています。
また、現任教育は年度ごとに10時間以上の実施が義務づけられており、知識や技能を定期的に更新する必要があります。※業務別教育の一部は実地教育で代替可能(業務別教育時間の1/2まで、上限5時間)とされています。

この研修は単なる「形式」ではなく、現場で安全に業務を行うための土台です。例えば交通誘導では、誤った合図ひとつで事故につながる恐れがあります。新人のうちにしっかりと学んでおくことで、現場での自信や信頼にも直結します。

資格取得がもたらすキャリアアップ

さらに上を目指す人にとっては、国家資格の取得が大きな目標となります。特に次の資格は需要が高く、現場でも有資格者が優先されるケースが多いです。

交通誘導警備業務2級/雑踏警備業務2級

一定規模以上の現場では有資格者配置が必要。

施設警備業務2級/貴重品運搬警備業務2級など

特定業務に従事する際の必須資格。

特に「交通誘導警備業務2級」や「雑踏警備業務2級」は一定規模以上の現場で必須となるため、早めに挑戦する価値があります。
また、有資格者は配置の幅が広がるだけでなく、日給・月給に資格手当が上乗せされることもあります。

最短で取得するためのスケジュール

スケジュール設計の基本

資格取得を最短で進めるには、以下の3つの観点が重要です。

  1. 繁忙期を避けた学習スケジュール
    例えば春先や秋口は比較的時間を確保しやすく、集中研修に適しています。
  2. 集合研修と自主学習の組み合わせ
    基礎知識は動画教材やオンライン研修で先取りし、実技は集合研修で行うと効率的に学習ができます。
  3. 試験日程を逆算する
    国家資格試験は年数回しか実施されません。申込期限から逆算して準備を始めることが必須です。

例1:実務経験を積みながら受験を目指す場合

1〜2か月目:新任教育(20時間以上)を修了

まずは、20時間以上の座学と実技を受講します。修了後には現場に出ることができ、学んだ知識を実務で確認しながら経験を積みます。

3〜11か月目:現場経験を積みつつ、試験勉強

原則1年以上の実務経験が受験資格となります。現場での体験をもとに、出題範囲(法令・安全対策・誘導技術など)を復習します。過去問題集を活用し、苦手分野を早めに把握しておくと効率的です。
また、全国警備業協会などが行う模擬試験や対策講習に参加し、本番に近い形式で力試しをします。弱点を重点的に復習し、自信を持って受験に臨めるように準備を整えます。

12か月目~:国家試験受験

これまでの学習を総復習し、落ち着いて本試験に臨みます。合格すれば「有資格者」として現場に配置され、より責任ある仕事を任されるチャンスが広がります。

例2:特別講習を活用し、受験する場合

特別講習(講習+修了考査:約3日間)を活用すれば、新任教育修了後すぐに資格取得に挑戦できます。

1〜2か月目:新任教育(20時間)を修了

まずは、20時間以上の座学と実技を受講します。

3か月目〜:特別講習を受講する

開催日程を確認し、受講・修了を目指します。

4か月目〜:試験勉強・国家試験受験

実務経験や過去問題集を活用し、苦手分野の理解や弱点を重点的に勉強します。これまでの学習を総復習し、落ち着いて本試験に臨みます。

実務経験を積みながら学習を進めることで理解が深まり、試験対策も効率化できます。原則1年以上の実務経験が必要ですが、特別講習を受ければ半年〜1年以内の受験を目指すことも可能です

効率的な勉強法

ポイント1:過去問を徹底的に解く

試験対策では、まず過去問題集を中心に学習を進めるのが効果的です。出題範囲や形式にはある程度の傾向があるため、繰り返し解くことで「よく出るテーマ」や「間違いやすい問題のパターン」をつかむことができます。特に警備業協会が提供している模擬試験問題は、本番に近い内容となっているため必ず活用しましょう。

ポイント2:現場体験を学習に活かす

日々の業務の中で経験したことを、勉強内容とリンクさせると理解が深まります。例えば、夜間の交通誘導で視界が悪かった経験をきっかけに「夜間の安全確保に関する法令」を復習すれば、知識が単なる暗記ではなく実感を伴った理解に変わります。

ポイント3:グループ学習でモチベーション維持

一人で勉強するとモチベーションが続かないこともあります。資格を目指す仲間と勉強会を開いたり、問題を出し合ったりすることで学習が習慣化しやすくなります。人に説明することで自分の理解も深まり、記憶の定着につながります。

来年に向けて動き出そう

警備員資格は「研修時間が決まっているから短縮できない」と思われがちですが、スケジュール設計と勉強法の工夫次第で、最短ルートを歩むことが可能です。
仕事と両立しながら勉強するのは簡単ではありませんが、現場経験と知識を結びつければ学びは確かなものになります。来年の試験に挑戦したい方は、ぜひ本記事を参考にして、早めに準備を始めてみてください。

参考・出典一覧

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