なぜ衣替え前の制服メンテナンスが大切か
9月は「残暑」と「秋の入り口」が同居する時期です。日中は真夏のように汗をかく日もあれば、朝晩は涼しく、体温調整が難しい日も多くなります。さらに、秋雨前線の影響で雨の日が増えるため、湿気によるカビやニオイ、型崩れといったトラブルも発生しやすい季節です。警備員にとって制服は、単なる「衣服」ではなく、信頼や安心を示す象徴です。通行人や施設利用者から見たときの第一印象はもちろん、仲間同士での信頼感や、自分自身のモチベーションにも直結します。
だからこそ、秋冬の制服へ切り替える「衣替え」の前に、今の制服をしっかり点検・ケアしておくことが大切です。「衣替え前のひと手間」が、次のシーズンを快適に乗り切る準備になります。
制服を清潔に保つ基本メンテナンス
洗濯の工夫

制服を長く清潔に使うには、日常の洗濯でのひと工夫が欠かせません。
- シャツ:汗や皮脂がつきやすいので、洗濯ネットに入れて裏返して洗うと汚れが落ちやすくなり、生地の表面も傷みにくい。
- ズボン:膝や裾は汚れが溜まりやすいため、軽くブラッシングしてから洗濯。脱水は短めにして、干す際にシワをしっかり伸ばす。
- ジャケット/ベスト:頻繁に洗う必要はないが、湿気を放置するとカビの原因に。定期的なクリーニングと陰干しで風を通す習慣を。
アイテム | おすすめの洗濯方法 | 注意点 |
---|---|---|
シャツ | ネット+裏返し洗い | 襟・脇は部分洗いをプラス |
ズボン | 脱水短めでシワ伸ばし | 膝・裾はブラッシング |
ジャケット | クリーニング推奨 | 湿気をためない |
汗・ニオイ対策
立ち仕事や屋外勤務の多い警備員は、どうしても汗をかきます。汗の放置は黄ばみやニオイの原因になるため、その日のうちにケアすることが大切です。
- 陰干しの徹底:帰宅後すぐにクローゼットへしまわず、風通しの良い場所で陰干し。
- 部分洗い:襟や脇は黄ばみやすいため、気づいた時点で軽く部分洗いを。
- 消臭・抗菌スプレー:翌日着る前に吹きかけると、不快なニオイを予防。携帯用を持ち歩けば休憩中のリフレッシュにも便利です。

雨の日のケア
9月は雨の日が多く、湿気対策も欠かせません。
- 完全乾燥:雨に濡れた制服を放置すると生乾き臭やカビの原因に。
- 靴・ベルトも忘れずに:革靴は新聞紙や乾燥材で水分を吸収。ベルトも湿気を取ってから保管。
- 撥水スプレー:ズボンや靴に定期的に塗布することで、雨や泥はねの汚れを防ぎやすくなります。

衣替え前のセルフチェックリスト
衣替えは「制服の健康診断」のタイミングです。以下を確認してみましょう。
チェック項目 | YES/NO |
---|---|
ズボン裾や膝に破れ・擦り切れはないか | □ |
シャツやジャケットの色あせ・ヨレはないか | □ |
サイズ感は適正か(動きにくさを感じないか) | □ |
名札・反射材の劣化はないか | □ |
汚れや黄ばみが落ちにくくなっていないか | □ |
1つでも当てはまれば、補修や交換を検討するタイミングです。
制服メンテナンスに役立つ便利グッズ
毎日のケアを助けるグッズをうまく活用しましょう。
グッズ | 用途・効果 | ポイント |
---|---|---|
消臭スプレー・抗菌スプレー | 汗のニオイ対策 | 携帯用は現場でも便利 |
速乾ハンガー/サーキュレーター | 夜洗濯でも翌朝までに乾燥 | 部屋干し派に最適 |
ユニフォーム専用洗剤・漂白剤 | 黄ばみ・汗ジミを落とす | 生地を傷めにくい配合がおすすめ |
撥水スプレー | 雨や泥はね防止 | こまめな再塗布で効果持続 |
冷感・消臭インナー | 残暑の汗対策 | 毎日替えて清潔に保つ |

注意点:個人アレンジや私物使用は避けましょう

制服のメンテナンスや便利グッズの使用は、必ず会社指定の範囲内で行うことが大切です。
- 警備業法や会社規定では、制服の着用方法や付属品の扱いが定められています。
- 個人判断でのアレンジや私物の使用は、違反やトラブルにつながる可能性があります。
- 消臭スプレーや洗剤といった日常的なケア用品は基本的に問題ありませんが、疑問があれば必ず会社に確認しましょう。
現場で「便利だから」と安易に取り入れるのではなく、規定を守りながら工夫する姿勢がプロフェッショナルとしての信頼につながります。
毎日のケアが「プロらしさ」をつくる
制服を清潔に保つことは、単なる見た目の問題ではありません。
- 利用者や通行人からの 信頼感を高める
- 自分自身が 快適に働き、体調を守る
- 制服を長持ちさせて 経済的負担を減らす
これらすべてに直結しています。衣替え前の今こそ、自分の制服を点検し、必要なケアや改善を取り入れるタイミングです。日々の小さな工夫が、働きやすさと「プロらしさ」を支えることにつながります。
警備の”今”と”これから”を考えるメディア「警備NEXT」では業界ニュースや現役警備員から聞いた調査レポートを掲載しています。ぜひ参考にしてみはいかがでしょうか。