夏の警備は「命に関わる」装備選びも重要!冷感インナーの選び方と現場事例

これいい!おすすめグッズ

はじめに:夏場の警備は「装備」で生死を分けることも

夏の警備業務は、過酷な暑さとの闘いです。
特に直射日光が照りつける交通誘導や、長時間屋外に立つ施設警備・雑踏警備では、熱中症のリスクが極めて高くなります。
警備員が自身の身を守り、集中力を維持するためには、装備の見直しが欠かせません。
中でも注目されているのが「冷感インナー」です。警備服の下に着ることで、汗を素早く吸収・拡散し、気化熱によって体温を下げる効果が期待できます。
この記事では、現場の種類や気温・湿度に応じた冷感インナーの選び方と、実際の導入事例をご紹介します。

冷感インナーとは?その機能と効果

冷感インナーとは、以下のような機能を持つ夏用の機能性インナーです。

  • 吸汗速乾素材:汗を素早く吸い取り、生地の表面で蒸発させることで気化熱を発生させ、肌表面の温度を下げます。
  • 接触冷感:肌が触れた瞬間に“ひんやり”と感じる繊維構造で、即時に涼しさを実感できます。
  • 多機能加工:消臭・抗菌・UVカットなど、快適な勤務をサポートする機能も備えています。

冷感インナーは単なる下着ではなく、「夏の警備現場に欠かせない装備品」としての地位を確立しつつあります。

現場タイプ別|おすすめ冷感インナーの選び方

交通誘導警備(屋外・日中)

  • 推奨タイプ:UVカット+吸汗速乾+接触冷感
  • おすすめ理由:直射日光とアスファルトの照り返しで体感温度が非常に高くなるため、紫外線対策と冷却性能の両立が必須。
  • 長袖がおすすめ:直射日光を遮断し、汗を効率的に気化させるため、実は長袖の方が涼しく感じられることもあります。

施設警備(屋内・空調あり)

  • 推奨タイプ:薄手でストレッチ性の高いインナー
  • おすすめ理由:冷房が効いている施設では過度な冷却が逆効果。軽量で着心地の良いものを選びましょう。透け感や着用感もポイントです。

雑踏警備(屋外・夜間)

  • 推奨タイプ:コンプレッションタイプ(筋肉サポート機能付き)
  • おすすめ理由:立哨や人混みの中での移動が多く、疲労軽減効果のあるタイプが望ましいです。通気性も重視しましょう。

勤務地域の気候や気温、時間帯に応じて、複数タイプを用意しておくと便利です。

警備員の声|実際に使ってみて実感した快適さ

2025年夏にプロキャス警備が実施した熱中症対策アンケート(対象:現役警備員131名)では、自身で行っている熱中症への取り組みについては「通気性の良いインナーを使用している」と答えた方は全体の33.1%でした。

出典|プロキャス警備_熱中症対策実態調査

「使えば快適」「導入すれば効果がある」一方で、「その存在を知らない」「必要性をまだ感じていない」といった情報・意識のギャップが残っているとも言えます。今後、企業として冷感インナーの支給を通じて装備の“標準化”を進めることができれば、全体の安全対策レベルが底上げされると同時に、職場の安心感やチーム全体の士気向上にもつながるでしょう。

快適さを保つための使い方と洗濯方法

【1】同じインナーを使い回さない

毎日同じ冷感インナーを着続けていると、汗や皮脂で吸汗性が落ちてしまいます。2〜3枚をローテーションし、毎回洗濯することで効果が持続します。日によって天候や気温に差があるため、その日の気候に応じて厚みや素材を変えるのもおすすめです。

【2】柔軟剤の使用は控えめに

柔軟剤を使いすぎると、繊維に膜を張ってしまい、汗を吸いにくくなることがあります。冷感インナーの機能を最大限活かすためには、中性洗剤でやさしく洗い、自然乾燥するのが基本です。

【3】収納時はしっかり乾燥させてから

使用後はしっかり乾燥させてから収納するようにしましょう。湿ったまま保管すると、カビや臭いの原因になります。長持ちさせるためには「干し方」も重要です。風通しのよい日陰に吊るすのが理想的です。

導入時のポイント|企業側の視点でも考える

冷感インナーの導入を検討する企業は、次の観点も重要です。

【1】サイズ展開の充実

冷感インナーは身体に密着するタイプが多いため、サイズ選びは重要です。S〜3Lまでの幅広い展開がある商品を選定し、性別や体型に応じたフィッティングの確認を行いましょう。

【2】アレルギー・肌トラブルへの配慮

長時間の着用となるため、肌の弱い方への配慮も必要です。コットン混素材や、肌に優しいタグレス仕様など、肌刺激が少ないものを優先的に検討すると安心です。

【3】費用対効果の評価

一見するとコストがかかるように感じる冷感インナーですが、熱中症による救急搬送や業務中断といったリスクを考えると、全体としては“防ぐための投資”と言えます。福利厚生の一環として導入する企業も増えており、結果的に従業員満足度の向上や離職率の低下にもつながると考えられます。

【4】導入後のフィードバック収集

導入して終わりではなく、実際の使用感や改善点を現場から吸い上げ、次の選定に活かすサイクルを作ることが重要です。例えば、「夏場だけでなく春先から使用したい」という声や、「もう少し薄手の方が良い」といった要望が出ることもあります。

まとめ|自分の業務スタイルに合った一枚を選ぼう

冷感インナーは、夏場の警備業務における「見えない必須アイテム」です。
適切に選び、正しく使うことで、熱中症リスクを下げ、快適な勤務環境を整えることができます。

選び方のチェックポイント:

  • 業務内容に合った素材と機能を選ぶ
  • 日中・夜間など時間帯で袖丈や通気性を調整する
  • 複数枚を用意しローテーションで使用する
  • 洗濯方法を守って機能を長持ちさせる
  • 施設ルールや服装規定にも配慮する

装備の見直しは、今すぐできる最も効果的な熱中症対策です。冷感インナーを味方につけて、厳しい夏を安全・快適に乗り切っていきましょう。

警備の”今”と”これから”を考えるメディア「警備NEXT」では業界ニュースや現役警備員から聞いた調査レポートを掲載しています。ぜひ参考にしてみはいかがでしょうか。

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