夏の警備バイト時給に変化あり?2025年7月度、三大都市圏で平均1,327円・全国は1,216円に

ホンネ調査

2025年7月のアルバイト・パート募集時平均時給が、三大都市圏では1,327円、全国平均では1,216円となったことが、エン・ジャパンの調査により明らかになりました。とくに注目されるのは関東エリアでの動き。前年同月比で41円の上昇となるなど、夏の繁忙期に向けた採用競争が激化している様子がうかがえます。警備業界でも、夏は花火大会や音楽フェス、スポーツイベントなどで雑踏警備や交通誘導業務が急増するシーズン。この時期の時給動向の変化は、現場で働く警備員や採用担当者にとって、見逃せない情報です。
本記事では、この平均時給の変化を通じて、警備業界が置かれている現在の採用環境や、今後の見通しについて解説します。

夏の警備バイト、時給相場に変化の兆し

出典|エン・ジャパン「エンゲージ」調査(2025年8月21日公開)

2025年7月、エン・ジャパン株式会社が発表した調査によると、アルバイト・パートの三大都市圏における平均時給は1,327円全国平均では1,216円という結果となりました。なかでも注目すべきは関東エリア。前年同月比で+41円(1,351円)と大きく上昇し、イベントシーズンや人手不足の影響が色濃く反映された数字となっています。

夏の現場警備需要と時給上昇の関係

出典|エン・ジャパン「エンゲージ」調査(2025年8月21日公開)

夏は花火大会、音楽フェス、スポーツイベントなど、大規模な人流が発生するシーズンです。こうした催事に欠かせないのが、雑踏警備や交通誘導警備などのアルバイト人材。
イベント警備では、短期かつ高負荷な業務が発生することから、時給水準の引き上げ手当支給といった待遇改善で人材確保を目指す企業も少なくありません。特に関東圏では、都市部イベントの集中や人手不足が拍車をかけ、先月比ではやや下がったものの、前年より大きな時給上昇が見られたことが今回の調査結果にも表れています。

全国平均はわずかに減少 ― 地域格差も顕在化

一方、全国平均では前年同月比−2円、前月比−22円と、わずかに減少。都市部と地方での求人ニーズや採用競争の差が平均値の押し下げ要因になっている可能性があります。警備業においても、地方では「長期安定勤務」「通勤距離の近さ」「研修制度」といった点が重視される傾向があり、時給だけで人材を確保することの難しさが浮き彫りになっています。

警備業の採用現場に与える影響とは?

■ 採用担当者への示唆

  • 夏季は応募単価が上昇しやすく、待遇や柔軟なシフト設計など、時給以外の要素を打ち出す工夫が必要です。
  • 特に関東圏では、「日払い・週払い対応」などスピーディな報酬提供が応募数に直結するケースも多くなっています。

■ 求職者への示唆

  • イベント警備の案件は短期高収入の傾向があり、夏限定で働きたい方には好条件の案件が見つかる可能性も。
  • ただし、炎天下での勤務や混雑対応などの負荷も高いため、事前の業務確認や装備準備が欠かせません。

今後の展望:最低賃金改定と秋以降の動き

政府が公表した最低賃金の改定方針により、今後さらなる時給上昇が見込まれます。
特に警備業界では、2024年以降の人件費高騰を背景に、受注単価と採用コストのバランスをどう取るかが引き続き課題となるでしょう。秋以降はイベント案件が一段落し、施設警備や常駐警備など長期案件へのシフトが進む時期。季節による求人傾向の変化にも注視が必要です。

まとめ

2025年7月のアルバイト・パート募集時平均時給は、三大都市圏で1,327円、全国平均で1,216円となり、特に関東エリアでは前年より大きく上昇する結果となりました。警備業界においても、夏場の短期案件やイベント対応の増加により、人材確保の競争が激化しており、時給水準や待遇設計がますます重要になっています。
今後は最低賃金の改定などを背景に、時給のさらなる上昇も予想される一方、採用単価の上昇や利益圧迫といった課題も並行して進行していきます。地域ごとの採用戦略の見直しや、時給以外の魅力づけ(福利厚生・柔軟なシフトなど)が、より持続可能な警備体制を構築する鍵になるでしょう。

警備の”今”と”これから”を考えるメディア「警備NEXT」では業界ニュースや現役警備員から聞いた調査レポートを掲載しています。ぜひ参考にしてみはいかがでしょうか。

関連記事

TOP
CLOSE