休憩スペースにも「現場の質」があらわれる
警備業は、炎天下や深夜帯など、身体的にも精神的にも負担の大きい仕事です。そのため、勤務中の”休憩時間”は心身を整える重要な時間と言えるでしょう。しかし現実には、「休憩スペースが十分でない」「落ち着いて休めない」など、現場環境に差があるのも事実です。今回は、現役警備員を対象に実施したアンケート調査をもとに、「休憩の取りやすさ」と「理想の休憩スペース」について現場のリアルな声を分析します。
1. 休憩の取りやすさ:7割以上が「取りやすい」と回答

まず、「あなたが働く警備現場は休憩が取りやすいですか?」という問いに対して、「取りやすい」「非常に取りやすい」と感じている人は合計で74.8%と多数派を占める結果に。休憩が比較的取りやすい環境が整っている現場が多い一方で、依然として約1割の隊員が「取りにくさ」を感じていることも見逃せません。
「どちらともいえない」と回答した14.5%の声も含めると、改善の余地がある現場は一定数存在すると言えそうです。
2. 理想の休憩スペース:上位は「飲み物・仮眠・清潔感」

次に「理想の休憩スペース」の条件として、多くの隊員が求めたトップは「飲み物や軽食が取れること」。長時間勤務が多い警備の現場では、こまめな水分補給や軽食ができるかどうかが、体調管理や集中力維持に直結します。
また、「仮眠が取れる」ことを挙げた人も44.3%と高く、特に夜勤現場や長時間警備においては短時間の仮眠が安全確保につながるという意識が見受けられます。
「清潔感」「空調」「近さ」も、快適な環境づくりに欠かせない要素として評価されています。
3. 休憩スペースの整備は働きやすさにも影響か
今回の調査からは、休憩環境に対する警備員の関心の高さがうかがえます。快適な休憩スペースがある現場では、「仕事に集中できる」「体調管理がしやすい」「気持ちにゆとりができる」といったメリットを感じやすく、業務の質にも好影響が期待できます。一方で、仮眠が取れない、暑さ寒さが厳しい、休憩場所が遠いなどの不便がある現場では、体力面の負担が蓄積しやすく、モチベーションにも影響が出る可能性があります。働きやすさや安全面を考慮した現場づくりの一環として、休憩スペースの整備は十分に検討すべき要素といえるでしょう。
休憩スペースの整備は「余裕があればやるべき」ではなく、隊員の安全と職場の質を守る“投資”とも言えるのです。
4. 小さな環境改善が、大きな満足につながる
警備の現場では、”業務そのもの”の改善だけでなく、「休む場所」の整備が職場環境の向上に直結することが、今回の調査で明らかになりました。
- 7割以上が「休憩を取りやすい」と感じている一方で、1割以上は「取りにくい」と回答
- 理想の休憩スペースには「飲み物・仮眠・清潔感・空調・近さ」が挙げられる
- 快適な休憩環境は、働き続けたい現場づくりの重要な要素
今後、警備業界が人材確保や定着を図るうえで、「休憩スペースの質向上」は見逃せないポイントとなるでしょう。
警備NEXTでは、警備員のリアルな声を様々な角度から調査し発表しています。ぜひ参考にしてみてください。

調査概要
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象:現役の警備員である20代以上の男女
サンプル数:131人
調査期間:2025年6月25日(水)~6月26日(木)
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