はじめに
雨の日の警備業務は、視界の悪化や足元の滑り、体の冷えなど、さまざまなリスクを伴います。特に交通誘導や雑踏警備といった屋外業務では、安全性と快適性を両立する装備や服装の工夫が欠かせません。本記事では、雨天時でも快適に働ける装備・着こなしのポイントを現場目線でわかりやすく解説します。
雨の日に潜むリスクとは?
雨が降ると、警備業務にはさまざまな影響が出てきます。単に「濡れて不快」といった問題だけでなく、視界や足元の安全、体調管理など、日常の業務を妨げるリスクが増大するのです。特に屋外での警備や交通誘導など、雨天時に人や車の流れが変わる現場では、いつも以上に注意が求められます。
雨の日に警備員が直面する3つの代表的なリスクと、その対策についてご紹介します。
視界の悪化と事故の危険
レインフードや濡れた眼鏡、雨滴で曇るフェイスシールドにより、視界が大きく損なわれます。特に夜間や車両の往来が激しい場所では、わずかな判断ミスが大きな事故につながるおそれも。
「自分は見えている」と思っていても、実際にはいつもより視認性が落ちているケースが多いため、視界を確保するための装備やこまめなメンテナンスが欠かせません。
滑りやすい足元
濡れたマンホールや白線、点字ブロックは特に滑りやすく、転倒リスクが増加します。警備業務では長時間立ち続けることが多いため、ちょっとした足元のトラブルも大きな負担につながりかねません。
滑り止め付きの安全靴や、防水性の高いレインカバーなど、悪天候を想定した備えが重要です。日々の装備点検や、現場に応じた履き替えの習慣もリスク回避につながります。
冷えと湿気による体調不良
夏場の蒸れ、冬場の冷えは体調不良の原因になります。特に雨天時は服の中に湿気がこもりやすく、放置すると疲労や集中力の低下につながります。
気温・湿度に応じたレイヤリング(重ね着)や、吸汗速乾性のある機能性インナーの使用で、体温調節をサポートしましょう。着替えやタオルの携帯も、小さな工夫ながら大きな安心につながります。
快適に働くための装備選び
天候によるリスクを理解したうえで、もうひとつ大切なのが「装備の見直し」です。雨の日でも安全かつ快適に働くためには、機能性に優れた装備を選ぶことが欠かせません。濡れやすい・冷えやすい・動きにくい——そんなストレスを減らすためのポイントを押さえておくことで、日々の業務がぐっとラクになります。
では、どのような装備を選べばよいのでしょうか?次に、雨の日でも快適に働くための装備選びのポイントをご紹介します。

高機能レインウェア
- 素材選びが鍵:防水・透湿性素材(例:ゴアテックス)がおすすめ
- 上下セパレート型が基本:動きやすさと通気性を確保
- 透明ツバ付きフード:視界を遮らず安全性アップ
安全性を高める反射ベスト
- 雨天時は暗くなりがち。反射材付きベストで被視認性を確保
- メッシュタイプなら通気性も◎
レインキャップとフードの使い分け
- キャップはツバで視界確保に優れ、ヘルメット対応の防水カバーも便利
予備の靴下・インナー・タオル
- 濡れたあとの冷えを防ぐため、替えの準備は必須
- 吸湿速乾・抗菌防臭タイプがベスト
着こなしの工夫ポイント
機能性インナーの使い分け
- 夏場:冷感・通気性の高いインナーで蒸れ防止
- 冬場:温感素材・防風ベストとの併用で保温力アップ
ストレッチ素材で動きやすさ確保
- レインパンツは膝まわりに余裕があると快適
着脱しやすい重ね着テクニック
- 気温や作業内容に応じてすぐに脱ぎ着できる服装が理想
雨天に役立つ便利グッズ
- 靴用乾燥剤(シリカゲル入り)
- 替え靴下収納ポーチ(ビニール+メッシュ)
- ハンドタオル付きアームカバー
- レインスプレー(防水・抗菌効果)
現場の声|実際に使ってよかったアイテム
「上下セパレートのレインウェアにしてから、ムレがかなり減りました」(40代・交通誘導)
「ヘルメットの防水カバーは視界も確保できて安心です」(30代・施設警備)
「吸汗速乾インナー+着替え用の靴下は雨の日の必需品」(50代・雑踏警備)
中小企業でも実践できる工夫
- 雨天時は「レインキット」を事前に貸与
- 着替えスペースや一時ロッカーの整備
- 「雨の日手当」や温かい飲み物支給などの福利厚生
まとめ|雨でも快適な現場づくりを
雨の日の警備業務は、装備と着こなしの工夫で大きく快適度が変わります。個々の備えはもちろん、企業としての配慮や制度づくりも、働きやすさを高める鍵です。「雨でも安全・快適に働ける現場環境」を整えることで、警備員のモチベーション向上や業務品質の維持にもつながるはずです。
警備業界で働いている人の声をリアルにお届けする警備NEXTを参考に、警備現場での働き方を今後も参考にしてください。