警備員100人に聞いた!日払い・シフト調整・アプリ対応…長く働く現場の条件とは?

ホンネ調査

警備業界の“働きやすさ”を見える化

人手不足が常態化する警備業界においては、優秀な隊員が定着しやすい環境づくりがますます重要となっています。そこで今回、警備NEXTでは20代以上の警備隊員100人を対象に、「働き続けたいと思える現場」についてアンケート調査を実施しました。
現場で実際に働く隊員のリアルな声をもとに、「支持される職場にはどのような特徴があるのか」「働きやすさを支える仕組みとは何か」をデータから読み解いていきます。

1. 働き続けたい現場に共通する条件とは?

現役警備員131人に、勤務する警備会社で働き続けたいかたずねたところ、全体の71.7%が「働き続けたい」と回答しました。
大多数が現職に対して肯定的であることがわかります。一方で、約1割の隊員が離職を視野に入れていることも見逃せません。これは、一定の働きやすさが確保されている現場が多い一方で、改善の余地が残る職場も存在していることを示しています。

2. 評価が高い職場の上位3要素

働き続けたい理由として挙げられたトップ3は以下の通りです。
1位 報酬・給与に満足している 46.8%
2位 シフト希望が通りやすい 41.5%
3位 給与の日払いや前払い制度がある 37.2%

給与などの待遇面に加えて、「希望通りに働ける柔軟な勤務体制」や「良好な職場の人間関係」が、継続意欲の大きな要因となっていることが分かります。
また、以下のような要素も評価されていました。

  • 人間関係が良い(36.2%)
  • 管理担当者とのコミュニケーションの良さ(34.0%)
  • 研修などスキルアップの機会(34.0%)

給与の即時性や将来性を支える仕組みも、働きやすさに大きく寄与しているようです。これらは単なる待遇の問題ではなく、働く人の「生活リズム」や「将来への不安」に寄り添う制度として重要な意味を持っています。

3. 年代別で異なる“働き続けたい理由”

働き続けたい理由を年代別で見てみましょう。年齢層によって「働き続けたい」と思う理由には顕著な違いが見られました。
若年層ほど「金銭面」「即時性」に関心が強く、年齢が上がるにつれて「働き方の安定性」や「信頼関係」といった要素が重視される傾向が読み取れます。これは、各世代が抱える生活背景やキャリア志向の違いを反映していると考えられます。特に注目したいのが、30代・40代において「給与の日払いや前払い制度」が高く評価されている点です。家庭を持つ層や生活費の管理がシビアになる世代にとって、柔軟な給与受け取り制度は心理的・経済的な安心材料となっています。急な出費にも対応しやすく、働く上でのストレス軽減にもつながっていると考えられます。
企業としては、「全員に同じ対応をする」のではなく、年齢層やライフスタイルに応じた配慮が求められていると言えるでしょう。

4. “働きやすさ”を支える現場の仕組みとは?

他の理由と比較するとまだまだ少ないのですが「シフト申請や報告がアプリで完結できる」という回答が27.7%に上った点にも注目です。
ITツールを活用した業務効率化が、「働き続けたい」と感じる理由の一つになっており、現場DXの推進が隊員の満足度を高めていることがうかがえます。
アプリでの打刻、チャットでの連絡、報酬の即時確認など、テクノロジーによる働きやすさの向上は、特に若年層にとって欠かせない要素です。こうした“見える化”と“効率化”は、今後ますます採用競争力に影響するでしょう。

5. 警備業界で定着率を高めるには?

調査結果からは、警備員が「働き続けたい」と感じる職場には、いくつかの共通した特徴があることが見えてきました。その中でも特に重要なのが、「希望通りに働けること」「給与を必要なタイミングで受け取れること」といった“柔軟性”です。
たとえば、日払いや前払い制度といった即時性のある報酬の仕組みは、生活との両立を求める30〜40代の隊員にとって大きな安心材料となっています。また、希望のシフトに応じてもらえる体制も、長く働き続けたいと感じる理由の一つになっています。
こうした制度や仕組みを整えることが、企業にとっては定着率の改善や採用力の強化につながるといえるでしょう。
調査結果をもとに、働きやすい職場の条件を以下の3点に整理できます。

① 適正な報酬と柔軟なシフト制度

給与の満足度に加え、「希望の時間帯で働ける」柔軟な制度が、働く意欲を高めています。さらに、必要なときに給与を受け取れる“前払い制度”なども、家庭や生活に配慮した仕組みとして支持を集めています。突然の出費や生活の変化にも対応しやすく、特に30〜40代の働き手にとっては、安心して働き続けられる要素となっているようです。

② 良好な人間関係と管理者の対応力

現場での人間関係はもちろん、管理担当者とのやりとりにおける「信頼」や「安心感」も定着に直結しています。「相談しやすさ」「連絡のスピード」「配慮ある言葉がけ」など、日々のコミュニケーションが隊員の満足度を左右しているのです。

③ デジタルツールや支援制度の導入

給与前払い制度やアプリでの業務連絡など、利便性の高い仕組みが高評価。特に若手層のニーズにフィットしており、採用活動でもアピール材料となります。管理側の業務効率も上がるため、企業側にもメリットのある施策です。

まとめ:現場ごとの“見直し”が定着率を左右する

警備業界における人材定着は、「給与」や「制度」だけでは実現しません。調査からは、日々の業務における安心感や働きやすさ、さらには管理体制への信頼など、“心理的安全性”を含む包括的な職場環境が問われていることがわかりました。
企業としては、待遇の見直しに加え、コミュニケーションの仕組みや業務効率の改善、柔軟な運用体制といった現場レベルでの改善に目を向けることが、今後の定着率・採用力向上のカギになると言えるでしょう。
「働き続けたい」と思える現場づくりは、特別な設備投資ではなく、小さな“仕組みづくり”の積み重ねから始まります。
警備NEXTでは、現場業務の効率化と省人化を実現するための「警備DXにおすすめなシステム5選」の記事もご用意しています。ぜひ参考にしてみてください。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象:現役の警備員である20代以上の男女
サンプル数:131人
調査期間:2025年6月25日(水)~6月26日(木)
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