夕暮れが早まる季節に向けた視認性アップの工夫とアイテム紹介

これいい!おすすめグッズ

夕暮れ時の現場に潜むリスク

秋に近づくにつれ、日の入りの時間が早まり、夕暮れ(薄暮:日の入り前後1時間程度)の時間帯が業務中に重なることが多くなります。この薄暮時間帯は「視界が徐々に悪くなる時間帯」であり、交通誘導警備、施設警備、雑踏警備などの業務において、歩行者や車両から警備員が発見されにくくなることで、事故のリスクが上がることが警察庁などの統計で示されています。
夏から秋にかけて、日没の時間は日に日に早くなります。特に10月から11月にかけては、17時前後には暗くなり始めるため、夕方から夜間にかけて勤務する警備員にとっては「視認性の低下」が大きな課題となります。

警備現場での視認性とは、歩行者や車両のドライバーから「警備員の存在がどれだけ認識されやすいか」を指します。視認性が低ければ、事故や接触のリスクが高まり、警備員自身の安全が脅かされるだけでなく、周囲の人々を危険にさらす可能性があります。

こうしたリスクを避けるためには、「自分の存在をしっかりと周囲に示す」ための工夫が不可欠です。本記事では、夕暮れが早まる季節に向けて、現場で実践できる視認性アップの方法や装備品をご紹介します。

参照:警察庁_薄暮時間帯における交通事故防止

視認性を高めるための基本的な考え方

反射材の活用

警察庁の資料「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」(令和2年~令和6年)によれば、薄暮時間帯では「自動車×歩行者」による死亡事故の割合が非常に高いです。

反射材は、車両のライトや街灯の光を反射し、暗い場所でも自分の存在を明確に示すことができます。反射テープ付きのベストやタスキ、腕章などは定番のアイテムです。制服の一部として採用されていることも多く、装着も簡単です。

発光する装備の利用

反射だけでは不十分な場面では、発光するアイテムが有効です。LEDライト付きの誘導灯、点滅するアームバンド、発光機能を備えたベストなどを使うことで、周囲への存在アピールをさらに強めることができます。

色の選択

暗所では「蛍光色」や「白系の明るい色」が視認性を高めます。制服やレインウェアなどに差し色として取り入れるだけでも効果的です。特に人混みの中での雑踏警備では、隊員の位置を把握しやすくなるため有効です。

現場で役立つ具体的な装備と工夫

反射ベスト・反射タスキ

最も手軽で効果的なのが反射ベストです。道路上での交通誘導や工事現場では必須に近い存在で、施設警備でも夜間巡回時に活用できます。タスキ型は着脱が簡単で、制服の上からでも違和感なく装着できます。

LED誘導灯

交通誘導警備に欠かせないアイテムです。赤色のライトが一般的ですが、点滅や切り替え機能付きのタイプは視認性をさらに高めます。夕暮れ時の「薄暗さ」においても存在を明確に示せるのが特徴です。

アームバンド・リストライト

両手がふさがっている場面でも装着できる便利なアイテムです。軽量で防水仕様のものも多く、雨天時や夜間の巡回で役立ちます。隊員同士が互いの位置を確認する際にも便利です。

反射材付きレインウェア

雨天時は視界が悪くなり、車両からの発見が遅れる危険があります。そのため、反射材が縫い込まれたレインウェアを採用することで安全性を高められます。撥水性と通気性を兼ね備えた製品を選ぶと快適に使えます。

キャップライト・ヘッドライト

両手を自由に使えない時に役立つのが、キャップやヘルメットに装着できるライトです。巡回や点検業務で手元や足元を照らすのに便利で、暗がりでの安全確保に直結します。

現場目線での導入と運用の工夫

装備の選び方

導入時は「軽量で動きを妨げないこと」「耐久性があること」「充電や電池交換が容易であること」がポイントです。また、制服規程や会社の方針に合致するデザインかどうかも確認が必要です。

メンテナンスの重要性

反射材やライトは、汚れや劣化で効果が落ちます。定期的な清掃や点検を行い、効果を維持することが大切です。特にバッテリー切れは実用性を損なうため、勤務前にチェックする習慣をつけると安心です。

教育・意識づけ

装備の有効性を理解してもらうためには、教育や研修で実際の効果を体感してもらうことが有効です。新人教育の段階から「なぜ視認性が重要なのか」を伝えることで、自然と装着習慣が身につきます。

夕暮れ時の視認性アップは、事故防止や業務の効率化に直結します。反射材・発光装備・色の工夫をバランスよく取り入れることで、安全性が大きく向上します。

また、装備そのものの導入だけでなく、日常的な点検や教育の徹底も欠かせません。現場責任者は、勤務計画や配置に応じて装備の必要性を判断し、調達担当者は使いやすく長持ちする製品を選ぶことが重要です。

まとめ

  • 秋から冬にかけて、夕暮れが早まり視認性が低下する
  • 視認性アップの基本は「反射」「発光」「明るい色」の3要素
  • 実用的な装備例:反射ベスト、LED誘導灯、アームバンド、反射材付きレインウェア、キャップライト
  • 導入後は点検・メンテナンス、教育を通じて習慣化することが大切
  • 調達担当者は安全性と快適性を両立する製品を選定すべき

夕暮れ時の安全は、警備員自身と周囲の人々を守るための第一歩です。
現場隊員の安全を守るために、管理者・調達担当も意識をして、ぜひ日常の業務に「視認性アップの工夫」を取り入れて、安心して働ける現場づくりを進めていきましょう。

警備NEXTでは、現場で役立つ知識や警備員の声をこれからも発信していきます。日々の勤務に少しでも役立ててもらえたら幸いです。

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